男子決勝は昨年のツアーで最多となる3勝を挙げた長谷川徳海(よしうみ、38=フリー)倉坂正人(33=フリー)組が、優勝を飾った。

決勝で高橋巧(31=ANAあきんど)上場雄也(39=松戸レガロ)組をストレートで破った。

倉坂の粘り強いレシーブと、長谷川の強烈なスパイクが決まった。第1セット(S)を21-17で奪取。第2Sはデュースが続く一進一退の攻防となったものの、集中力を切らさず、最後は長谷川がブロックを決めて30-28で制した。

昨年は開幕戦で準優勝だった。同じ舞台で悔しさを晴らした長谷川は「僕らは自分たちの可能性だけ信じてやってるチーム。誰もが可能性を持っていて、それは諦めるか諦めないかでしかない。年齢は関係ない。僕らは諦めずに日々を積み重ねてるので、手応えを感じている」と胸を張った。

その過程に、来年のパリ五輪出場も見えてくる。現在、世界ランキング130位は国内で2位。「そこに行くまでは、日々の積み重ねでしかない。毎日やるだけだと思ってるので結果を収められたらいい」と、淡々と話した。

また、国際試合の盛り上がりには国内リーグの強化が必須と強調。「(野球の)WBCが盛り上がったのは日本のペナントレースがめちゃくちゃ優秀だから。日本のビーチバレーやバレーも世界に誇れるリーグになれれば」。今年のジャパンツアーは昨年の7戦から10戦に増加。11月の須磨大会(須磨海岸)まで、9都道府県を転戦する。コロナ禍から脱した23年を「チャンスの年」と捉え、38歳がリーグを先導する。

◆2024年パリ五輪への道 

出場枠は開催国フランスを含む男女各24チーム。出場権は選手ではなく国内五輪委員会に割り当てられ、1カ国で出場できるチームは最大4チーム(男女各2チーム)。開催国のフランスに加え、23年の世界選手権で優勝した男女各1チーム、各大陸選手権で優勝した男女各5チーム、24年6月10日までの世界ランキングで男女上位各17チームが出場権を得る。

23年3月現在の同ランキングでは国内最上位が男子は高橋、古田組で127位、女子は石井、溝江組で16位。現状を考えると、男子はコンチネンタルカップで、女子は同ランキングとコンチネンタルカップで出場枠獲得を目指すことが現実的な路線となる。

パリ五輪は、エッフェル塔のふもとに広がるシャン・ド・マルス公園内に仮設されるエッフェル塔スタジアムで開催される。ビーチバレーは五輪でもっともチケットが入手困難とされる人気スポーツ。21年の東京五輪では、男子は石島、白鳥組が、女子は石井、村上めぐみ組が開催国枠で出場している。