近藤亜美が初優勝 1年9カ月ぶり海外大会を制す

<柔道:マスターズ大会>◇第1日◇27日◇メキシコ・グアダラハラ

 柔道の世界ランキング上位で争うマスターズ大会第1日は27日、メキシコのグアダラハラで行われ、リオデジャネイロ五輪代表で女子48キロ級の近藤亜美(21=三井住友海上)が初優勝を飾った。初戦負けが相次いでいた海外での国際大会では、初の世界一に輝いた14年世界選手権以来の頂点となった。同52キロ級の中村美里(27)は5年ぶり3度目の優勝。五輪2連覇を狙う同57キロ級の松本薫(28)、男子60キロ級の高藤直寿(22)はともに初戦で敗れた。

 メキシコ名物のつばの広い帽子をかぶった近藤が、はにかんでいた。表彰式での珍しい儀式に恥ずかしさもあっただろうが、久しぶりの歓喜が笑顔にさせた。「海外で勝てないとずっと言われてきて(烙印=らくいん=を)払拭(ふっしょく)したかった。本当にうれしい」。1年9カ月ぶりの海外での戴冠だった。

 初戦が肝だった。昨年は2度、今年も2月のグランドスラム・パリ大会など「トラウマだった」と言うほど負けている国外での初戦。駆け足で畳に上がると、勢いよく前に出た。相手に指導を出させると、最後まで相手の技をさばいて指導1つの差で逃げ切った。

 以降は躍動感があふれた。「払い腰しかないイメージから抜け出せるようにしたかった」と果敢に仕掛けて全て違う技で頂点へ。ロンドン五輪女王のメネゼスを抑え込んで破った決勝など、内容も伴った。

 遠征に出る前日の22日、「はまっている」というかき氷を作れる機械を購入した。「最近は朝起きると『今日もまた疲れるんだな』と思う毎日で…」と嘆く日々の唯一の楽しみ。逆に見れば、それだけ毎日必死に稽古に励んできたということ。「自信をつけることができたのは大きい。弾みになる」。鬼門を突破し、残り2カ月強に迫る大舞台での金メダルも見えてきた。