柔道秋本啓之が現役引退「達成感で一杯」元世界王者

仲間から胴上げされる引退を発表した秋本(撮影・阿部健吾)

 柔道男子73キロ級元世界王者の秋本啓之(30=了徳寺学園職)が11日、現役引退を表明した。

 宮崎市のKIRISHIMAツワブキ武道館で開催された全日本実業団体対抗の第3部で優勝を飾った後に「区切りの大会と決めていた。達成感で一杯です」とすがすがしい顔で話した。

 この日は大将として全5試合に出場。重量級の選手にも果敢に担ぎ技を仕掛け、決勝では背負い投げ2本で有終の美を飾った。その様子は本人が「1番思い出深い」と話す03年全国高校選手権さながら。当時は66キロ級ながら、無差別で争われる大会で重量級の選手を次々に破って頂点に立った。

 10年世界選手権を制しながら、五輪には縁がなかった。所属の山田監督は「持ち味の強引に入る柔道はもろ刃の剣だった。五輪にもでるチャンスはあったが、ケガに泣かされた」と振り返る。

 13年には元バレーボール女子日本代表の大友愛さんと結婚した。奥さんからは試合前「最高の仲間と思い切り楽しんできて」と声をかけられたという。日本代表陣でも最年長ながらムードメーカーとして雰囲気づくりに貢献していた。今後は了徳寺学園で指導者の道に進む予定で、その明るく、後輩にも慕われる性格をコーチ業にいかす。