湯沢翔北8強ならず 一時4点差も相手の守備崩せず

湯沢翔北対浜松開誠館 この試合限りでバスケットボールから離れることにした湯沢翔北の加藤主将

<全国高校バスケット選抜優勝大会:浜松開誠館58-43湯沢翔北>◇第3日◇25日◇女子3回戦◇東京体育館

 統合前の湯沢北時代を含めて初の8強入りを狙った湯沢翔北(秋田)は、3回戦で敗戦。目標の8強まで、残り1勝だった。

 第1クオーター(Q)に15点差をつけられる苦しいスタートとなった。第2Qから高橋果林(3年)の3点シュートが決まりだして、一時4点差まで詰め寄った。今大会終盤に力強さを見せてきた湯沢翔北。逆転へ第4Qに望みをかけたが、浜松開誠館の堅い守備を崩せなかった。

 20点をマークした高橋は、試合後に樋渡真コーチ(52)の話を聞いて、顔を隠して泣いていた。「シュートの感覚は良かったが、シュートを待つだけではなく、中の得点源となる人にアシストできれば」と語った。それでも、最後は目を赤くしながら笑顔でチームメートと健闘をたたえ合っていた。母史諭子さん(ふゆこ、42)は、「本当に出し切っていたという感じだった」と娘の晴れ姿を見守っていた。

 両膝前十字靱帯(じんたい)断裂を経験し、故障と戦いながら高校バスケを終えた加藤麻里主将(3年)は、「ケガもあったし辛いこともあった。もうバスケに悔いはないです。そのくらいバスケにかけてきた」と、ひとまず競技から離れると明かした。11年に統合して開校した湯沢翔北では、初の16強進出を達成した。「ベスト8の夢は後輩に託したい。樋渡コーチの指導を信じて練習して欲しい」と、後輩の活躍に期待した。