アイホ娘6発!五輪へ首位発進 久保英恵爆発ハット

日本対オーストリア 第3P、ハットトリックを決めたFW久保(左)は歓喜のガッツポーズ(撮影・狩俣裕三)

<女子アイスホッケー平昌五輪最終予選:日本6-1オーストリア>◇9日◇北海道・苫小牧市白鳥王子アイスアリーナ

 2大会連続3度目の五輪出場を目指す「スマイルジャパン」が、FW久保英恵(34)のハットトリックなどでオーストリアに6-1と大勝し、勝ち点3で首位に立った。最終予選初戦の独特の雰囲気の中、第1ピリオド(P)こそ動きが硬かったが、久保が第1~3Pで得点する活躍で流れを変えた。最終予選は日本、ドイツ、オーストリア、フランスで1回戦総当たりで争い、1位が五輪出場権を獲得する。日本は11日にフランスと対戦する。

 悪い流れを、ベテラン久保のチップショットが救った。第1Pの先制ゴールに「あれは出来過ぎです」と笑ったが、FW浮田の強烈なシュートに、ゴール前でスティックを合わせコースを変えるファインゴールだった。練習から山中監督にシュートを打ってもらい、軌道を変える感覚を磨いてきた。その感性がチームにエネルギーを与えた。

 第1Pは同点で終わるも、第2Pにはゴール裏のFW床秦からのパスに合わせ、GKの股を抜いてチームの3点目。第3Pは右からのパスを、前のめりに飛び込むようにスティックを合わせてチーム5点目でダメを押した。「いつだったか忘れましたが、ハットトリックの経験はありますよ」とさらりと振り返った。

 地元苫小牧で迎える最終予選だ。「地元で五輪をかけて試合ができるなんてなかなかないです。やりがいがあります」。10年にいったん引退したが、サッカーなでしこジャパンの11年W杯優勝、澤穂希の姿を見て「夢を追い続ければかなう」と現役復帰した。13年のソチ五輪最終予選ではMVPに選ばれる活躍で本大会に導いた。リンクを離れた時期も含めて、経験は豊富だから腹が据わっている。自らの役割を「点を入れること。流れを変えるプレーをすること」と自覚し、冷静に仕事をこなした。

 独特の雰囲気で重圧のかかる初戦。スマイルジャパンも、序盤は動きが硬い「コチコチジャパン」だった。第1P後の控室でFW中村が「私たちはスマイルジャパン。笑顔で思い切ってやろう」と声を上げて空気を変え、久保の2、3点目でチームは本来のスピード、パス回しを取り戻し、リンクで躍動していった。

 ライバルのドイツがフランスに苦戦し、日本は圧勝で勝ち点3。それもエース久保の爆発は非常に頼もしい。弾みがつく勝ち方となった。【井上真】

 ◆久保英恵(くぼ・はなえ)1982年(昭57)12月10日、北海道苫小牧市生まれ。13歳で日本代表デビューを果たし、98年長野五輪では代表候補入り。10年に1度引退したが、代表復帰してソチ五輪最終予選で大活躍。日本を4大会ぶりの五輪出場に導いた。