龍崎東寅、EAから水谷輩出の明大へ「さらに気合」

得意の右フォアからスマッシュを放つ龍崎

 卓球の世界ジュニア選手権(昨年12月、南アフリカ)の男子ダブルスで準優勝した龍崎東寅(とんいん、18=東京・JOCエリートアカデミー)が17日、強豪の明大に進学することが分かった。故郷を離れ中学、高校時代の6年間をエリート養成機関で腕を磨き、1月の全日本選手権では過去最高の8強に進出。今春から関東学生連盟の1部に所属し、リオ五輪男子シングルスで銅メダルを獲得した水谷隼(27)らを輩出した名門に飛び込む。

 龍崎が「代表入り」へのエリートコースをひた走る。エリートアカデミー(EA、東京・北区)を巣立ち、今春から明大に進学する。同大は昨年のリオ五輪団体で銀メダルを獲得した水谷、丹羽孝希(22)を輩出し、男子日本代表を率いる倉嶋洋介監督(40)もOBという名門。龍崎は「(昨秋に)進路が内定してから、さらに気合が入った」とモチベーションを上げ、1月の全日本選手権ではノーシードからの快進撃で、初のシングルス8強入りにつなげた。

 卓球のエリート街道で育った。新発田ジュニアでは中国プロコーチの経歴を持つ父の姚天明(よう・てんめい)コーチの指導を受け、中学から日本オリンピック委員会(JOC)が「五輪選手の養成」と位置付けて設立したEAの門をたたいた。同期生は1人だけで、男子は中1から高3年まで合わせても現在6人のみという少数精鋭主義。国際大会を転戦し、実業団リーグにも特別参加するなど、英才教育の環境が整う。女子では、今年の日本選手権シングルスを史上最年少で制した平野美宇(16)もEAの所属だ。「ずっと新潟の静かな環境でやっていたので、1人で洗濯、整理整頓などもあって、最初は都会に慣れるまでが大変だった」と、6年間の「虎の穴」生活を懐かしんだ。

 最近1年の活躍は進境著しい。15年夏から約半年苦しんだ右肩痛をインナーマッスルの強化で克服して昨年9月、国内予選会1位で世界ジュニアの出場権を獲得。世界ジュニアでは同じEA所属で、「スーパー中学生」として同大会のシングルスを制した張本智和(13)とダブルスを組み、準優勝した。それでも「シングルスは2回戦負けで、(世界一に輝いた)団体は決勝トーナメント以降、出番がなかった。自分のプレーができなかった」と満足していない。

 得意のフォアは破壊力があり、全日本では全日本学生準Vの滝沢拓真(明大4年)、昨年準Vの張一博(31)、14年社会人王者の松平賢二(27)のシード勢3人を撃破した。今後の課題として、「バックハンドは振れるようになったが、もっと強化しないと試合では厳しい。そして安定感を高めて、絶対にミスらない技術が必要」と挙げた。

 全日本を終えると一時帰郷し、「新潟のお米は本当にうまい。大好きなすしもおいしかった。新潟は静かなのですごく落ち着きます」と英気を養った。3月4日には国内の実力トップ12人だけが出場を許される、優勝賞金100万円の「LIONカップ」(東京・代々木第2体育館)に臨む。3年後には東京五輪も迫っており、「インカレで優勝して、いずれ水谷さん、丹羽さんを超えられるようになりたい」と五輪代表のゴールまで、アクセルを踏み続ける。【中島正好】

 ◆龍崎東寅(りゅうざき・とんいん)1998年(平10)12月29日生まれ、新発田市出身。新発田ジュニアで競技を始め、五十公野小を卒業してJOCエリートアカデミー入り。稲付中、高校は帝京に通いながら6年間、同アカデミーでの寮生活で腕を磨いた。主なタイトル(シングルス)は12年に全日本カデット(14歳以下)優勝、14年にジュニアのスウェーデン、ハンガリーの両大会で優勝。2月の最新世界ランクは165位、U-21位世界ランクは23位。プレースタイルは右シェーク裏裏ドライブ。