秋田3連勝 空気変わった 降格圏脱出あと1歩

第3Q、3点シュートを決めた秋田谷口(左)はガッツポーズ。ブースターも立ち上がって歓喜した(撮影・島根純)

<バスケットボールBリーグ:秋田74-68横浜>◇19日◇CNAアリーナ★あきた

 空気が変わりつつある。秋田ノーザンハピネッツ(東地区5位)が74-68で横浜ビー・コルセアーズ(中地区5位、全体13位)に勝利し、今季2度目の3連勝。下位4チームが出場するB1残留プレーオフ(PO)圏内の18位中15位だが、14位の北海道に1差とした。谷口大智(26)が3点シュート2本を含む12得点と活躍。開幕当初は成功率が低かったが、日々のシュート練習の成果が表れてきた。B2降格圏脱出へ、チームの成熟とともに若い力が伸びている。

 気持ちを緩めなかった。第3クオーター(Q)残り3分9秒。秋田谷口の3点シュートがネットを揺らす。15点差に広げる弾道に2965人のピンクのブースターは総立ち。それでも喜ぶことなく一目散に自陣コートに戻り、相手をにらみつけた。「守備で止めて、いい攻撃につなげることを意識している」と気を緩めることはなかった。

 負けられない一戦で成長を見せた。201センチの「日本人ビッグマン」。オンザコート(外国籍選手の出場数)が1人の第2、3Qの20分間、ゴール下で当たり負けることはなかった。「1対1で止められなくても、シュートを無理な体勢で打たせる。そのあとのリバウンドを取れるようになってきた」と体を張り、泥臭く失点を防いだ。

 攻撃力が出てきた。開幕直後はシュート成功率が低く、12月の川崎戦では3点シュート7本中成功は0だった。14年に右肘を脱臼し、15年に手術。メスを入れたことでシュートの距離感が狂っていた。だからこそ、コツコツと努力を重ねた。日々の全体練習後に約1時間は自主的にシュート練習。「練習後にどれだけ打つか。今まで(止まった状態の)キャッチアンドシュートだったのが、今週から足を動かして打つ練習を入れて成果が出たかな」と基礎練習を繰り返し、この日の12得点につなげた。

 チームの成熟も追い風になった。先週のオフに選手でボウリングを実施。「コミュニケーションがうまくいかず、モヤモヤした試合が続いた。それがクリアになった。お互いを知るいい機会になった」と相互理解を深めた。「今週は2連勝すると意思疎通が出来ていた」とこの日のチームのアシストは15。ボールがつながり、連勝につながった。

 伸び盛りの若手と増してきたチームの勢い。「自分が決め切れればチームの勝ちにつながってくる」。残留PO圏内脱出へ、秋田の結束力が強くなってきた。【島根純】