北海道折茂「やってはいけない試合」連敗も残留M1

レバンガ北海道の折茂は、鋭い視線でパスの出しどころを探る(撮影・中島洋尚)

<バスケットボールBリーグ:北海道61-83A東京>◇23日◇札幌・北海きたえーる

 レバンガ北海道は61-83でアルバルク東京に敗れ、来季のB1残留決定は29日以降に持ち越しとなった。今季チーム日本人選手最多得点の折茂武彦選手兼社長(46)は、古巣相手に3点シュート4本中3本を成功するなど奮闘。残留を争う富山が敗れ、勝てば残留が決まる試合だったが、今季2番目の集客数となった4071人のファンに勝利を届けることはできなかった。現役24年目のベテラン折茂は、次戦29日敵地秋田戦での残留決定を誓った。

 第3クオーター(Q)終了後、折茂の目に、会場奥の出口に急ぐファンの姿が映った。24点離され、残り10分。逆転が難しい状況。「やってはいけない試合をしてしまった。見ている方にも、自分たちにとっても、がっかりな試合」と、ベテランは唇をかんだ。

 同じ東地区で2位のA東京に食らいついたのは、前半だけだった。29-39の第2Q残り26秒。折茂が右45度の位置からこの日2本目の3点シュートを決め、7点差。この日一番の歓声が上がった。

 第3Qで、最初のフリースロー2本をダニエル・ミラー(25)が決めて5点差まで縮めたが、そこから一気に離され、最大31点差まで広げられた。東地区4位のレバンガ北海道だが、リーグ戦勝利数はA東京40勝に対し、21勝。上位の壁は厚かった。

 折茂にとっては、デビューから14年プレーした古巣(当時トヨタ自動車)相手にこれで15連敗。「相手がA東京であることは気にならなかった。ただ上位チームは個も強いし、ハードにやられた時に、こちらのもろさが出てしまった」と敗因を挙げた。西川貴之(25)牧全(24)ジャマール・ソープ(32)関野剛平(22)ら、体調不良の選手が続出したことも響いた。

 社長も兼務するため、シーズン中でも午前中に営業で札幌市内を回り、午後に練習に参加、その後に講演会などの活動をこなす。来季中に2億円あまりの債務超過を解消できなければ、リーグ規定で3季目をB1で迎える権利は奪われる。46歳でチーム日本人で最多得点、4季ぶり7度目の年間500点まで13点と、選手として実績を積み重ねるが、クラブ運営でも成果を求められる立場にある。折茂は「次の試合で残留を決められるよう、戦う準備をしないと」。まずはプレーでチームの来季を決め、次のミッションも成功させる。【中島洋尚】

 ◆B1残留の条件 B1残留プレーオフには東・中・西地区18チームの下位4チーム(15~18位)が出場。北海道は現在13位(21勝)で、15位横浜(対戦成績2勝)16位富山(同1勝1敗)17位滋賀(同2勝)が16勝で並んでいる。北海道は残り5試合で1勝すれば無条件で残留決定。全敗しても、対戦成績が互角で、直接対戦2試合の得失点差で上回っている富山が全勝しなければ残留となる。