反ドーピング法案まとまる「行ってはならない」明記

 超党派のスポーツ議員連盟は24日の作業部会で、2020年東京五輪・パラリンピックに向け、ドーピングを初めて違法行為と位置付けた国内初の対策法案をまとめた。罰則規定は設けないが、トップ選手らによる不正目的での禁止物質使用や、指導者らがこれを手助けする行為を「行ってはならない」と明記した。

 外国選手も含めた違反者摘発のため、税関や入国管理局、警察などの公的機関から選手らの個人情報を例外的に入手できるよう、文部科学相が各機関に協力を求めることができる条項を盛り込んだ。議連は27日の総会で内容が了承されれば、議員立法で5月中旬の国会提出を目指す。

 法案では、国は「ドーピング防止活動の推進に関する施策を総合的に策定し、実施する責務を有する」とし、五輪に向けて大幅に不足している検査員など専門人材の養成のほか、検体分析法などの開発や、教育、啓発活動を推進することも規定した。政府が必要な財政措置を講じることも盛り込まれた。作業部会事務局長の馳浩前文科相は「(大会に向け)国が主体的に態勢整備をする必要がある」と述べた。

 議論となっていた行政機関による強制調査権や刑罰の導入は慎重論が強く、施行後速やかに「国の関与の在り方を含めて検討」との表現で付則に記すにとどめた。