スポーツクライミング1日3種目「五輪決勝」練習会

東京五輪の実施方式

 日本山岳・スポーツクライミング協会が、20年東京五輪の対策に動きだす。28日に東京都昭島市内の施設で、東京五輪の決勝を想定した非公開の練習会を初めて開催することになった。東京五輪ではスピード、ボルダリング、リードの順に3日間の予選を行い、最終日の決勝であらためて3種目を実施する。過酷な「1日3種目」を若手選手らに経験させ、今後の対策や強化に生かしていく狙いだ。

 スポーツクライミングの東京五輪の実施方式は、選手には未知の領域だ。全4日間。男女各20人がスピード、ボルダリング、リードの順で予選を行い、各種目の順位を掛け合わせたポイントが少ない6人が最終日の決勝に進出する。精神的、体力的に厳しい4日間となるが、とりわけ、1日で3種目すべてをこなす決勝は、まだどの国際大会でも実施されていない。

 18年10月のユース五輪(ブエノスアイレス)が、五輪の実施方式が採用される初の国際大会となる。そこで日本協会は、東京五輪も狙えるユース五輪世代の若手らを対象に、五輪の決勝を想定した練習会を開催。経験を通して今後の強化や育成のヒントを得たい考えだ。4月に東京・昭島市に、国際スポーツクライミング連盟(IFSC)公認のスピード専用壁を完備した「MORIPARK Outdoor Village」がオープン。「1日3種目」の予行演習ができる環境が整い、練習会が初開催できる運びとなった。

 対象の選手は中高生や大学生が中心のため、翌日の授業などへの影響も考慮し、参加は選手の判断に任せられる。練習会ということで一般には非公開となる。

 日本には男子の楢崎智亜(栃木県連盟)女子の野口啓代(茨城県連盟)らボルダリングのトップクラスの選手がいる。五輪のメダル獲得には日本の弱点とされるスピードや、総合力が問われる「1日3種目」の決勝の対策が不可欠だ。28日が、その第1歩となる。