白井健三にしばらく誰もついてこれない/米田功

種目別男子床運動成績

 床での金メダルは白井にとっては当たり前かもしれないが、今回は個人総合の後という初めての流れで勝ちを経験できたことが大きい。演技は素晴らしいの一言。あれだけ難しい構成にもかかわらず、個人総合予選、決勝、種目別決勝と試合を重ねるごとにクオリティーが上がっていった。この日の演技は、もっと点数が出てもおかしくなかったと思う。

 圧倒的な強さを持つが、昨年のリオ五輪では着地ミスで4位になるなど、十分悔しい思いは味わっている。入念な準備、着地への注意など油断せずに戦っている姿勢がみえる。「これほど自分を信じた大会はない」と話しているが、その精神的な強さは、普段の練習に裏付けられたものだ。

 高難度の構成に挑む他国の選手も出てきているが、まだ質が伴っていない。白井に、しばらく誰もついてこれないだろう。

(04年アテネ五輪団体金メダリスト、日刊スポーツ評論家)