白井健三は女子力も評判…手作りアルバムにお守りも

男子種目別の跳馬で初優勝した白井(AP)

 種目別決勝の男子跳馬で白井健三(21=日体大)が14・900点をマークし、金メダルに輝いた。日本勢の同種目の優勝は78年の清水順一以来、39年ぶり5人目。白井は今大会、個人総合銅、種目別床運動の金に続く3つ目のメダルとなり、五輪、世界選手権を通じ、獲得したメダル数を10個とした。

 影をも踏ませない圧倒的な演技構成で3度目の頂点に立った床運動とは、まったく逆のアプローチで金メダルを手にした。種目別跳馬の白井が示したのは、圧倒的な美しさだった。

 1本目は技の難度を示すD得点5・6の「シライ・キムヒフン」。自らの名のつく技を雄大に決めると、演技の出来映えを示すE得点で9・6をもらった。8選手による16演技で最も高い評価だった。

 2本目はD得点5・2の「ドリッグス」。怪物レベルのスペシャリストがそろう種目別決勝で使う技としては難度が低いが、こちらも余裕のある着地でE得点9・4が出た。終わってみれば2位を0・001点上回っての金メダルだった。

 「最後くらいは結果を気にせず楽しんでやろうと思っていたので、金メダルはびっくりしている。0・1点以下の差は気持ちや練習量の差だと思う」

 内村不在の中「航平さんを安心させられる存在になりたい」と言ったようにおとこ気が光る白井だが、一方で“女子力”の高さも評判だ。昨年のリオ五輪終了後には団体金メダルメンバーに選手ごとに中身の違うアルバムをつくってプレゼント。1人1人にそれぞれ写真を選び、メッセージまで書き込む、凝りようで内村らを驚かせた。今年8月の全日本学生選手権前には、日体大の選手、スタッフら12人にサプライズで手作りのお守りを渡した。

 今回は大会最終日に男女5人が出場。「みんなで助け合いたい」と話していた通りに村上とのアベック金メダルを実現した。「女子力ももっと高めますよ」とちゃめっ気もたっぷりだ。

 21歳でのメダル10個は内村を超える進化スピードでもある。白井がモントリオールでダブルエース時代の幕を高らかに開けた。【矢内由美子】