新潟“大学生プロ”今村が週末デビュー「楽しみ」

ドリブルからのシュートを練習する今村

 「越後のカリー」が週末にプロデビューを果たす。B1新潟アルビレックスBBは29日、千葉ジェッツ戦(12月2、3日・アオーレ長岡)に向けた練習を中之島体育館で行った。庄司和広監督(43)は、前日28日に入団会見した新人のSG今村佳太(21=新潟経営大4年)の起用を明言。北信越屈指のシューターは、あこがれのNBA選手・PGステフェン・カリー(29=ウォリアーズ)と同じ背番号30をつけ、プロの舞台でも持ち味の得点力を発揮する。

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 全体練習が終わった後も、今村はコートに残ってリングに向かった。3点シュートにドリブルからのレイアップ。確認するようにリングにボールを収め、「自分らしく外角のシュート、ジャンプシュートを決めたい」。千葉戦でのテーマは明確だ。

 デビューは練習前に庄司監督から伝えられた。「ハンドリングが良く、ショートも打てる。千葉戦に限らず、試合に出しながら育てたい」と能力の高さを買う。今村は昨年12月、アオーレ長岡での千葉戦(91-90で新潟勝利)を観戦した。「千葉がデビューの相手というのは、不思議です」と笑いながら「あのとき、自分がプロになったらどんなプレーができるかなと思いながら見ていた」。描いたイメージをコートで表現する。

 前日28日に入団会見を行った。もう1人のルーキー、PG森井健太(22=早大4年)は大学行事のため帰京したが今村は会見後にチーム練習に初参加。「緊張してよく分からなかった」という初日とは違い、この日は雰囲気にもある程度慣れた。スモールフォワード(SF)池田雄一主将(34)らがメニューの合間にアドバイスして「みなさん優しくて、溶け込みやすい」。だからこそ「勝利に貢献したい」という気持ちも強くなった。

 目指す選手はNBAトッププレーヤーのカリー。「3点シュートがうまい。自分と同じくらいの身長だけど、果敢にリングに向かっている」。入団契約時にカリーと同じ背番号30を迷わず選んだ。無料動画サイトなどで数え切れないほどカリーのプレーを見た。シュートのタイミング、状況判断など参考にした部分は多い。大学選手権は21日の2回戦で4連覇を狙った筑波大に敗れたが、今村は29得点をマーク。プロ入り前に、カリーを手本にした成果は出した。

 クラブは千葉戦で1試合平均約4000人の入場者を見込んでいる。大観衆の中でのプロ初戦。今村に臆するところはない。「楽しみです。思いきりやりたい」。地元長岡市の大声援に囲まれ、プロの1歩を踏み出す。【斎藤慎一郎】

 ◆今村佳太(いまむら・けいた)1996年(平8)1月25日生まれ、長岡市出身。東北中から長岡工。新潟経営大では2年からレギュラー。北信越大学選手権では春秋で計4度の得点王を獲得。今年はU-24日本代表候補に選出された。191センチ、92キロ。血液型AB。