カーリングSC軽井沢が初V 決勝で韓国代表に雪辱

SC軽井沢クの選手は笑顔で記念撮影。左から両角公、山口、清水、両角友(撮影・山崎安昭)

 男子のSC軽井沢クが、ワールドツアー初優勝を飾った。準決勝でスウェーデンチームを7-1で撃破。決勝は韓国五輪代表チームと対戦。11月のアジア・パシフィック選手権で連覇を阻まれた相手に5-4で雪辱した。1次リーグから7戦全勝V。「平昌(ピョンチャン)五輪前哨戦」の大会で、本番でもぶつかるスイス、韓国を連破して最高の弾みをつけた。女子のLS北見も同ツアー2度目Vを果たし、日本勢のアベック優勝となった。

 緊張なんかしない。4-4の最終8E、初Vがかかる最後の石。スキップ両角友は、ハウス内にポツンと1個ある相手の石をはじいて、自分の石をぴたりと止めた。「当てて、止めるだけ。簡単だから。決まるだろうな、やっぱり決まったな、と思った」と笑った。

 7戦全勝で初V。スイス、韓国との「五輪前哨戦」も制した。初優勝について「賞金(100万円)で1月のスコットランド合宿の食事がワンランク上になる。また体力がついちゃうよ~」と軽口を飛ばした。

 9月から2カ月半のカナダ遠征。初めての氷と連戦に苦戦し、同ツアーは遠征初戦から4週連続1次リーグ敗退。長岡コーチは「仕事終わりに地元リンクに通う、40~50代のおじさんたちにコロッと負けた」。さすがに五輪代表が地元のおじさんたちに負けると切ない。仲間で氷の情報を伝え合う方法を追求。山口は「カナダで勝てず苦しんだ。優勝は自信になる」と話した。

 長岡コーチのデータでは、今大会のショット成功率は両角友、山口が約90%、清水、両角公も約85%だったという。「だれかの成功率が下がると(最後の)両角友のショット率が70%に下がる。今大会を通じて全員がよかった。状態がよければ、スキルや投球確率でトップに負けていない」と同コーチ。男子20年ぶりの五輪に向けて、両角友は「2017年最後に最高のパフォーマンスだった」と自信を深めた。【益田一弘】

 ◆カーリング・ワールドツアー 92年に開始。北米を中心に世界各国を回る賞金大会。8月から翌年5月をシーズンとし、男女合わせて100大会以上が開催される。五輪メダリストら世界トップクラスも参戦。登録チーム数は500以上。14年に軽井沢国際選手権が日本で初めて同ツアーに認定された。