萩野公介「急勾配で激しい坂」苦闘の1年振り返る

競泳の萩野がスペイン高地合宿から帰国した

 リオデジャネイロ五輪競泳男子400メートル個人メドレー金メダルの萩野公介(23=ブリヂストン)が23日、スペイン高地合宿から帰国した。日本代表チームの一員として瀬戸、大橋、池江らと約1カ月の合宿を敢行。帰国直前には短水路(25メートルプール)で争うローザンヌ杯(スイス)に出場。100、200、400メートル個人メドレーを制し、苦闘の1年の最後を好結果で締めくくった。

 合宿序盤こそ、腰痛から泳げない日もあったが、その後はコンスタントに練習をこなし「ベースができた」と充実の表情を浮かべた。2年前は右肘骨折、昨年は手術と、冬の時期に泳ぎ込みができていなかった。1シーズン通して好調を維持するためにも、高地での泳ぎ込みは来年にいきると確信している。

 今夏の世界選手権(ハンガリー)では銀1個と金メダルを逃した。5位に終わった800メートルリレーの後には珍しく涙を流す場面もあった。金メダルのリオ五輪の翌年は心身ともに苦しんだ。それでも、苦闘の1年を無駄にするつもりはない。「(今年1年は)だいぶ急勾配で激しい坂でしたけど、最後は上がってくる途中で終わった。来年も、トップに上り詰めるため、苦しい坂たくさんあると思うがしっかり登っていきたい」。無精ひげでワイルドになった外見同様、心もさらにタフになって、東京五輪2年前の2018年を迎える。