暴行被害の天井翼「先輩への気遣い足りなかった」

東京都新春水泳競技大会で取材に応じた天井翼(撮影・戸田月菜)

 競泳男子平泳ぎの小関也朱篤(25)が昨年12月のスペインでの日本代表の高地合宿で同部屋の天井翼(23=ともにミキハウス)へ暴行を働いた問題を受け、天井が心境を吐露した。14日、東京辰巳国際水泳場で行われた東京都新春大会のレース後に取材に応じた。

 一連の問題について今の心情としては「納得しているか、と言ったらそうですね」と口にした。

 当日の様子も事細かに話した。「午後11時40分ごろ午前中の練習を終えて、みんなとサッカーをして時間調整をした。午後1時からの昼食にご飯が間に合うように、正午に宿舎の部屋に向かった。部屋に戻る直前に塩浦さん(慎理、26)から『小関が怒ってるぞ』と言われて、急いで向かった。部屋では小関さんが先に炊飯の準備をしてくださっていたので、自分からすぐに謝罪の言葉を伝えた。そこからは平井先生が昨日お話しした通りのことがあった」と話した。小関から、利き手ではない左手で腹部を1度、左手の甲で顎を1度、殴られたということを認めた。「(暴行を受けた後)1回部屋の外に出て、自分から戻ってもう1度小関さんに謝った。小関さんに『殴って悪かった』とおっしゃっていただいた」。

 暴行直後の昼食では痛みがひどく「ちゃんと食べられないくらいだった」。練習にも影響を与えると考え、夕方に梅原コーチに相談しに行ったという。「その晩には平井先生、梅原コーチ、小関さんと自分の4人で話し合った。合宿を成功させるためにもお互いが謝罪する形を取って、その後は今まで通り、部屋も変えず最後まで一緒の部屋で会話をしていた」。

 天井の認識では「1時間前だから十分間に合うだろうと思っていた。先輩への気遣いが足りなかったかなとも思う」とうつむいた場面もあった。

 天井は現在も口腔(こうくう)外科に通院中で、MRIによる検査結果を待っている状態。「まだかみ合わせの部分で違和感が残っているが、練習に影響はない」と言い、この日も400メートル自由形と200メートル個人メドレーに出場した。