樋口銀「今季1番」宮原銅で安藤、浅田以来W表彰台

記念撮影する樋口(左)と宮原(撮影・PNP)

 女子ショートプログラム(SP)8位の樋口新葉(17=東京・日本橋女学館高)が、フリーで145・01点、合計210・90点で2位に入った。SP3位の宮原知子(19=関大)は、同135・72点、合計210・08点で3位だった。SP4位のケイトリン・オズモンド(22=カナダ)が同150・50点、合計223・23点で初優勝した。日本女子のダブル表彰台は、07年金の安藤美姫、銀の浅田真央以来11大会ぶり2度目の快挙だった。

 樋口のフリーは、映画「007」の曲。冒頭の3回転サルコーは難なく着氷し、続く3回転ルッツ-3回転トーループも高さあるジャンプから着氷。1つ1つの技が決まる度に会場のボルテージがあがっていき、ジェームズ・ボンドにちなんだピストルを撃つ振り付けをすると、自然と手拍子の波が起こった。気持ちが高ぶった樋口は、「わー」と叫んで、見せ場のステップへ。最後のスピンを決め、完璧のに滑り終えると「ヤッター!」と両手でガッツポーズを見せ、今までで初めてといううれし涙を流した。

 昨年12月の全日本選手権で五輪出場を逃してから3カ月。痛めた右足首の治療をしながら失意の時期を乗り越え、大舞台で最高の演技をみせた。「切り替えが大変だったが、今思えばそれがあったからやりきれたと思う。今季で1番いい演技ができた」と晴れ晴れとした表情で振り返った。

 宮原は、「いい演技で終わりたい気持ちが強くて、力みになってしまった」とミスが重なった。冒頭の3回転ルッツはきれいに着氷したものの、2つの連続ジャンプで回転不足を取られ、終盤の3回転サルコーでは、跳ぶ際に勢いなく着氷で転倒。それでも高い表現力でカバーし、3位に入った。

 2人の順位の合計は5で順位合計が「13」以内で得られる来年の世界選手権最大3枠を確保した。