パラ水泳女王の成田真由美が平昌の村岡桃佳に刺激

笑顔で報道陣の質問に答える成田真由美(撮影・小堀泰男)

 パラ水泳のパンパシフィック選手権(8月9~13日、オーストラリア・ケアンズ)に出場する日本代表の第1次強化合宿が5日、都内の国立スポーツ科学センターで始まった。代表18人(女子8人)は今後複数の合宿を重ね、5月から6月にかけてイタリア、英国、ドイツで開催されるワールドシリーズにも出場しながら本番へ調整していく。

 水の女王・成田真由美(47=横浜サクラ)も元気に合宿に参加した。3月の春季記録会50メートル背泳ぎ(運動機能障害S5)でパンパシの参加標準記録をクリア。10月にはアジアパラ競技大会(ジャカルタ)にも出場を予定している。「アジアはともかく、パンパシのレベルは厳しい。しっかり自分の力を試してきたい」。これまで5度パラリンピック出場で金15、銀3、銅2の合計20個のメダルを獲得しているレジェンドの目線は、あくまで世界基準だった。

 平昌パラリンピックでは、アルペンスキーで5つのメダルを手にした村岡桃佳(21=早大)の活躍に刺激を受けた。「私と同じ病気(横断性脊髄炎)で、勝手に親近感を持って応援していました」。村岡がメディアで取り上げられるたびに、個人の1大会最多メダル獲得記録が04年アテネ大会の「成田8個」であることも紹介された。

 「それはパラ競技がスポーツとして見てもらえるようになったということですね」と優しい笑顔を見せた成田は、メダル報奨金が平昌から増額(金300万円、銀200万円、銅100万円)されたことも心からうれしそうだった。「私の頃はなかったんですから。さかのぼってもらえれば、私は今、美川憲一、小林幸子さんみたいな電飾つきの衣装で講演会に行ってたかな」。取り囲んだ報道陣の爆笑を誘ってインタビューを締めくくった。