スキー距離石田正子が現役続行意向、世界選手権狙う

シーズンを終えて美幌町に戻った石田。地元のトレーニングセンターにはユニホームなどが飾られている(撮影・西塚祐司)

 ノルディックスキー距離の石田正子(37=JR北海道)が現役続行の意向を23日までに固めた。4大会連続出場となった平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)で「五輪はもういいかな」と発言し、去就が注目されていた。昨季終盤のワールドカップ(W杯)などでの好成績で、自身の伸びしろを再確認。五輪など国際大会で、日本の距離選手ではトップの実績を誇る第一人者は、来季の世界選手権(2月、オーストリア・ゼーフェルト)へと歩み続ける。

 ベテランの進化は止まらない。昨季の平昌五輪は3種目に出場し、30キロクラシカルでは中盤で持ち前の粘りを見せて10位に入った。五輪後は3月のW杯ファルン大会(スウェーデン)10キロクラシカル5位、今月7日の長距離シリーズ戦スキー・クラシック(ノルウェー)50キロでは優勝を果たした。

 石田 これまでスケーティング(フリー)であまり成績を出せてないけど、去年のシーズン初めて(W杯で)30位内に入った。(平昌五輪後の)3月以降はどんどん調子が上がった。少し遅かったかなというのもある。その調子が最初から最後まで出せれば、すごいシーズンだったんじゃないかと悔やまれる。だけど、悪いよりはずっと良かったシーズン。

 終盤戦での好調のきっかけは五輪後の練習中だった。体の使い方を試行錯誤していると、急にフィットした手応えをつかんだという。

 石田 うまく言葉では説明できないが股関節の動かし方を変えてみた。スキー・クラシックは平地で距離が長いが、しっかりうまく走れるようになって(海外勢と)遜色なく一緒に行けるようになった。もう日本に帰ってきたけど今(海外である)フリーの大会に出たらどうなるのかなって思います。

 日本の距離界を引っ張ってきた。バンクーバー五輪では男女含め日本勢最高の5位。W杯は表彰台に2度上がった。第一人者は平昌五輪のレース後、22年北京について「五輪はもういいかな」と話した。だが現役への思いは強い。この先は4年スパンを考えるのではなく、1年1年が勝負となる。

 石田 今後についてはまず所属先と話し合ってからですが、今のトレーニング内容は悪くないし、次はシーズン最初から良い成績を残せるんじゃないかなと思いますね。

 海外勢では出産を経験して復帰したマリット・ビョルゲン(ノルウェー)が37歳で平昌五輪2冠を達成。世界のトップでは若手に負けず、ベテランも活躍を見せた。国際大会で幾度も上位の成績を残している石田だけに、来年2月の世界選手権では表彰台の期待も高まる。

 石田 開催地のゼーフェルトはコースも街もすごく良い場所。行けるなら楽しみ。そういう意味なら、(昨季は)次につながるシーズンを過ごせたと思います。

 38歳で迎える7度目の大舞台で、どんなレースをするか。楽しみに待ちたい。【西塚祐司】

<石田正子(いしだ・まさこ)アラカルト>

 ◆プロフィル 1980年(昭55)11月5日、美幌町生まれ。美幌中-旭川大高-日大-JR北海道。162センチ、52キロ。

 ◆ジュニア時代 美幌中3年の全国中学2位。旭川大高では2年時にクラシカルで総体、選抜、国体、ジュニア五輪の4冠、3年で国体連覇。日大1年で世界ジュニア代表入り。

 ◆W杯 00-01年シーズンにデビュー。09年3月14日トロンハイム大会(ノルウェー)30キロクラシカルで、距離では日本勢初表彰台(日本勢最高順位タイ)となる3位。17年2月4日平昌大会(韓国)複合でも8季ぶり2度目の3位。

 ◆世界選手権 07年札幌大会リレー8位を皮切りに、17年ラハティ大会(フィンランド)までの6大会で10位内9度。最高位は09年リベレツ大会(チェコ)団体スプリント4位で、距離では日本勢最高位。

 ◆五輪 別表参照。10年バンクーバー大会(カナダ)30キロクラシカル5位は、距離では日本勢最高位。