日大アメフット部悪質反則問題で関学大17日会見へ

6日の日大―関学大戦の第1Q、ボールを投げ終わった関学大QBの背後から、日大DLが悪質なタックルを仕掛ける(関学大提供、写真は一部加工)

 大学アメフットでのプレーが大きな波紋を呼んでいる。6日に行われた日大-関学大の定期戦で、日大のDL選手が3度ラフプレーなどで退場となり、10日に関東学生連盟が最終処分決定まで同選手の対外試合出場禁止、監督は厳重注意処分とした。その後も関学大側が日大側に抗議文を送付、20日の日大-法大戦が中止、スポーツ庁の鈴木大地長官が発言するなど影響が拡大。長年、甲子園ボウルで覇権を争ってきた両校。伝統の「青と赤の戦い」が思わぬ形でグラウンド外に波及している。

 被害者側の関学大は15日、日大に送付していた抗議文の回答書を受け取ったことを明かした。この日午後8時過ぎ、日大コーチが回答書を兵庫・西宮市の関学大に持参したという。返答期限は今日16日だった。日大には10日付で、関学大2年生QBへ行った日大DLの反則プレーの見解や原因究明、正式な謝罪を求める抗議文を発送していた。関学大は明日17日に記者会見を開き、その回答書の内容を公開し、今後の対応を説明する。

 今回の一件は全国ニュースなどで取り上げられ、社会問題に発展。関学大が日大への怒りを表明した12日の会見では校舎の一室を使用し、出席した記者は十数人だったが、17日の会見場所は大宴会場に設定された。大学側は「以前の会場では収まらない」とし、120人が収容可能な大広間を用意した。

 この日、左脚のしびれを訴えていた2年生QBが14日に「第2・第3腰椎棘間靱帯(きょくかんじんたい)損傷」と診断されたことを正式発表。大学側は「後遺症の可能性は極めて低いと認識している」とし、今後は痛みが軽減すれば練習に参加できる見通しという。不幸中の幸いだが、日大の回答の内容次第では、来年度以降の定期戦を拒否する方針を打ち出している。【松本航】