9ページ「選手の思い込み」/日大の再回答書全文1

26日、関学大が公表した日大からの再回答書

 日大アメリカンフットボール部の選手が悪質なタックルを犯した問題で、日大が関学大に提出した2度目の回答書が26日、明らかになった。関学大がこの日開いた会見で公開した。

 以下は日大の回答書の前半部分。

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平成30年5月24日

関西学院大学体育会アメリカンフットボール部

部長 池埜 聡様

ディレクター 小野 宏様

監督 鳥内 秀晃様

 

日本大学保健体育審議会アメリカンフットボール部

部長 加藤直人

第51回定期戦における弊部選手による反則行為に係る貴部からの申し入れ等に対する回答について

 平成30年5月6日に行われました貴部との定期戦において発生した弊部選手の反則行為について、改めて、負傷されました貴部選手へ謝罪し、お見舞い申し上げます。一日も早い回復を切にお祈り申し上げます。また、ご迷惑をおかけしました貴部関係者の皆様に深くお詫び申し上げます。

 貴部より平成30年5月10日付けで送付いただきました申し入れに係る、弊部確認作業等のためご猶予いただきました項目及び5月17日付け文書でご指摘のありました項目について、以下の通り回答いたします。

 なお、弊部選手につきましては、部として事実の聞き取りが出来ておらず、メディアにて報道されました記者会見の情報を参考に、記載させていただいておりますことを申し添えます。

 1 貴部との定期戦前半第1攻撃シリーズ1プレー目の弊部選手反則行為に係る弊部見解について

 (1)それまでの指導内容

 弊部では、他の同僚大学アメリカンフットボール部と同様、コーチ制を採っており、監督の意向を受け、コーチが各ポジションリーダーまたは各選手に指示を出し、併せて、各ポジションリーダーは自らが担当するポジションの選手の取りまとめを行っております。 日常の練習においては、弊部コーチ各ポジションリーダーが、選手に反則行為があった場合、その都度当該選手に確認及び指導を行っております。また、弊部選手全員に対しても、場合によってはグラウンドで、通常はミーティング会場において、その行為がなぜ反則であるのか、共通認識を持つことを徹底しております。

 (2)当該プレーに至った経緯

 弊部選手は、日本代表に選ばれるほどの実力者であります。貴部が5月17日付けで作成されました見解にも記載がありますとおり、昨年の甲子園ボウルや今春の試合において、弊部選手はルールの範囲内でプレーをしておりました。弊部選手は、「気持ち」を前面に出すことで、さらに選手として成長できると非常に期待されておりましたが、その「気持ち」が、直前の連休期間中の練習では見られませんでしたため、気持ちを前面に出すようにとの指導を行いました。しかし、メンバーを決める段階ではそこまでのレベルにはなっていないと判断し、当初のメンバーには入れておりませんでした。しかし、試合直前、本人が試合に出たい旨申し出があり、強い「気持ち」であることを確認できたため、急遽メンバーにすることを決めた経緯があります。

 (3)当該プレーに関して弊部が把握する事実

 当日、当該プレーに関し、貴部選手が味方にパスしましたが、その約2秒後、当該弊部選手が貴部選手の背後へ突進し、貴部選手の腰から太腿付近へタックルを行いました。貴部選手は無防備な状態でタックルされ、体がくの字になるほどの状態になり、その後、地面に叩きつけられました。

 弊部選手はパスを阻止する役割を担っており、貴部OL選手のブロックをかわした後、一目散に下半身のみに目掛け、貴部選手へ突進したのものです。通常では見られない長い距離を走り、貴部選手の下半身に向け、タックルを行いました。

 (4)当該プレー後の指導者の対応

 (ルールを逸脱した行為に対する監督・コーチの認識)

 1回目の反則行為直後については、監督はボールの動きに着目していたため、反対方向で行われた反則については現認しておりませんでした。このため、当該選手の対応について、交代の指示や厳しい注意・指導を怠りました。この点に関しては、ルールに基づいた厳しさを求めると記載しながら、指導者として深く反省しております。井上コーチは現認しておりましたが、同コーチは、弊部選手に自信を持たせたいと考え、もう少しプレーさせようとしておりました。なお、2回目の反則行為後、コーチから当該選手に対し、ボール保持者に向かってプレーするよう注意指導・指示を出しております。

 3回目の反則行為により資格没収となった際の対応については、厳しく注意・指導すべきでした。この点につきましても、指導者として深く反省しております。

 当該プレーの深刻さについては、ビデオによって改めて認識した次第です。

 試合直後の弊部監督による発言は、5月15日付けでご提出いたしました回答書記載のとおり、規則に違反してもよいと意図するものではなく、改めて、撤回させていただきます。

 (5)試合後の対応

 毎試合後、4年生、出場メンバー及びコーチで試合の反省会を行っております。当該プレーが起こった当日も試合終了後に反省会を行いましたが、特定の反則行為ではなく、全般について確認を行ったため、その時点で実際は謝罪の動きはありませんでした。

 当該試合の翌日には、ディフェンスを担当する選手において、ビデオを用いての反省会を行い、反則行為について確認を行いましたが、この時も負傷された選手への謝罪の動きはありませんでした。

 貴部選手は全治3週間の負傷をされましたが、同選手が後半も出場されていたことで当方の認識が甘くなってしまったところは実際ございます。非常に危険で悪質な行為であったことは間違いなく、その行為を真摯に受け止め、プレー直後や試合後に反省し、貴部へ速やかに謝罪にお伺いするべきでした。

 その後、弊部コーチと反則行為を行った選手が貴部へ謝罪にお伺いしましたが、貴部の、正式な回答があってからとのご回答でその場では受けられなかったご対応はもっともでございます。

 その後は、文書のやりとりをさせていただき、弊部としましては、5月10日付のお申し入れに対する回答を提出しましたが、ご猶予をいただきました項目について、当文書をもって回答させていただいているところです。

(全文2へ続く)