アメフト界永久追放!反則指示の日大指導者2人厳罰

関東学生連盟が下した日大アメフト部への処分

 日大指導者2人は反則指示と認定で永久追放!! 関東学生アメリカンフットボール連盟は29日に都内で臨時理事会を開き、6日の日大対関学大戦での反則問題を協議。日大・内田正人前監督(62)井上奨前コーチ(30)の指示否定は虚偽とし、永久追放に当たる最も重い除名、森琢ヘッドコーチ(HC=44)を資格剥奪とした。反則したDL宮川泰介選手(3年=20)とチームには、改革を解除条件に今季の公式試合出場資格停止処分を科した。

 かつてない厳罰処分が下った。指導者2人は「壊せという指示はしていない」と主張してきたが、連盟の規律委員会はこれを虚偽と判断した。当事者以外に日大の他選手、審判、関係者約20人をヒアリング。宮川選手の証言は経験則からも確信性が高いと結論。2人には「指導者失格」との断を下し、永久追放に相当する除名処分との結論を導いた。

 森HCは指示には関与はしていないが、容認したとして新たに処分対象として、2番目に重い資格剥奪となった。いずれも関東学連内の処分だが、きわめて重大な処分。今後フットボールに携わる可能性は限りなく低くなった。

 理事は23人いるが、副理事長の日本協会国吉会長は欠席で棄権した。日大OBの理事ら2人も棄権し、20人で採決。賛成16人、反対4人で決議した。反対意見は他の処分が甘いとの考えだった。

 「いかなる事情があっても反則した本人」と、宮川選手は今季出場資格停止とした。一方で「社会的制裁は受けている」と、反省文提出、再発の危険払拭(ふっしょく)を確認し、理事会が承認すればリーグ開幕前でも解除するという。

 また、チームも同じ処分で、「出場機会は奪えない。学生の未来がある」と条件をクリアすれば解除する。原因究明、再発防止策、チーム改革を断行し、今後発足する連盟の検証委員会の確認、理事会での承認が条件となった。

 連盟は「リーグ戦出場を前提とした準備をする」が、9月の開幕までは3カ月しかない。日大はまだ第三者委員会も設置されていない状況。処分は加藤部長へ伝えられたが、誰が再建へのかじを取るのか。今季再出発ができなければ、自動的に下位のBIG8リーグに初の降格となる。道は極めて険しい。

 ◆条件付き 宮川泰介選手とチームは、条件付きで18年度シーズン終了まで公式試合の出場資格停止。<1>チームとして原因究明を行い、実効性のある再発防止策を策定、実施し抜本的な改革を断行<2>その内容をチーム改善報告書として連盟理事会に提出<3>改善されたことが検証委員会で確認され、連盟理事会で承認されることを条件に、処分は解除される。