スケボー16歳西村碧莉が復活銀、東京五輪で金候補

<スケートボード:Xゲーム>◇21日(日本時間22日)◇ミネアポリス◇ストリート女子決勝

 東京オリンピック(五輪)スケートボード女子のメダル候補、西村碧莉(あおり、16)が、世界最高峰の大会で復活の銀メダルを獲得した。昨年7月に同大会のストリート種目で日本人初優勝を果たした西村は、決勝2回目に85・00をマーク。米国のマライア・デュラン(21)に次ぐ2位に入り、昨年10月の左ひざ前十字靱帯(じんたい)断裂からの完全復活を果たした。西村紅々可(16)は6位だった。

 東京五輪の金メダル候補が、力強く復活した。ストリート女子のエース、西村は1回目に85・00でトップに立つと、2回目は86・00と得点を伸ばした。デュランに抜かれたものの、満足の2位。インスタグラムに銀メダルに笑顔の表彰台の写真を載せ「ありがとう。ここが私の場所です」と周囲の支えに感謝した。

 ちょうど1年前の昨年7月、15歳でXゲーム初優勝を果たし、東京五輪の星として期待された。しかし、10月に左膝を負傷。11月には靱帯の再建手術を受けた。その後半年間はスケートに乗ることもできず。目標の1つにしていたアジア大会(8月)代表選考を兼ねた5月の日本選手権は出場さえできなかった。

 技を制限しながら練習を始めたのは、6月に入ってから。7月1日には米国の大会に招待選手として参加したが8人中8位。完調には遠かったが、今大会に向けて「どこまで調整できるか不安もあるけど楽しみ」と、前向きにインスタグラムにつづった。そして、昨年10月にケガをした直後から復帰の目標にしていたXゲームで結果を出した。

 今年2月、平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)スピードスケートの女子マススタートで高木菜那の優勝を見て「あんな大舞台で金メダルを取れるメンタルを見習って、自分も強くなりたい」と話した。連覇こそ逃したが、大ケガを克服したことが自信になったのは間違いない。「せっかく日本でやるので、頑張りたい」と話す東京五輪開幕まで明日24日であと2年。五輪で初めて実施される追加種目の金メダル候補が、精神的に強さを増して戻ってきた。

 ◆東京五輪スケートボード 開催都市提案の追加種目として、男女のストリートが7月26、27日、同パークが8月5、6日に実施される。ストリートは街中の階段や手すりを模したコースでトリック(技)を競うもの。パークは複数のボウルを組み合わせたコースで争う。採点競技で各種目20人が出場。日本のメダル候補は多く、ストリート男子の堀米雄斗(19)が世界最高峰のストリートリーグで今季2戦2勝。パーク女子の中村貴咲(18)は16年のXリーグで優勝している。

 ◆西村碧莉(にしむら・あおり)2001年(平13)7月31日、東京都江戸川区生まれ。7歳からスケートボードを始め、数々のコンテストで優勝。14、15年と日本スケートボード協会(AJSA)全日本レディースを連覇し、16年からは海外のコンテストでも活躍した。17年は4月の第1回日本選手権で優勝し、7月のXゲームも制覇。ムラサキスポーツ所属。家族は両親と姉2人、弟。158センチ。