“戦友”優佳夫人が食サポート、家族一丸/瀬戸大也

優佳夫人が勉強会で作った料理を試食した瀬戸(味の素提供)

<9日開幕パンパシ水泳東京決戦(上)>

 4年に1度のパンパシフィック選手権が9日、東京辰巳国際水泳場で開幕する。米国、オーストラリアなど強豪国と争う大会は、02年横浜大会以来16年ぶりの自国開催となった。今大会から国別対抗戦の要素も加わり、2年後の東京オリンピック(五輪)へ「競泳ニッポン」の試金石となる。日刊スポーツでは「東京決戦」と題して注目選手を紹介。第1回は、男子400メートル個人メドレーの瀬戸大也(24=ANA)。

 家族一丸での戦いが始まる。瀬戸は、昨年5月に元飛び込み選手の優佳夫人と結婚。今年6月には第1子の長女、優羽(ゆわ)ちゃんが生まれた。独身で銅メダルを獲得した16年リオデジャネイロ五輪とは違う感覚を抱いている。「子どもが生まれて、落ち着いて、競技生活を送れている。優佳も一緒になって、家族で戦ってくれている」。

 昨年11月から妊娠中の優佳夫人は「味の素」の勉強会を受けた。肉の選び方、脂質の落とし方からフルーツの切り方まで。座学、調理実習など1回1時間の講座を合計3回。あらためて勉強した。これまで自分の感覚で入れていた油、しょうゆの量も量って調節。練習期、調整期、レース期とその時々に合わせた食事メニューもみっちり学んだ。

 瀬戸はこれまで同社のサポートで、レース当日に「1日15食」などの効率的な食事を実践してきた。既婚者となり、その食生活を支えるには夫人の協力を得ることが近道。同社が提案した「家族ぐるみ」の徹底サポートに賛同した形だ。

 瀬戸は「優佳が東京に向けて戦ってくれて、すごく心強い。優佳が成長してくれるとうれしいし、そこまでサポートしてくれるからには自分に責任もある」。

 5月のジャパンオープンで出した4分8秒98は今季世界ランク2位。ライバルは萩野と昨年世界選手権金のケイリシュ(米国)。同じ94年生まれの3人が、三つどもえで争う。目標の東京五輪金メダルへ、家族と歩む道のりを東京からスタートさせる。【益田一弘】

 ◆パンパシフィック選手権 欧州選手権に対抗し環太平洋地域の競技力向上を目的に日本、米国、オーストラリア、カナダが中心となり創設。第1回は85年東京大会で現在は4年に1度。第13回の今大会は国別対抗戦の要素も追加。各種目に得点がついて大会を通じた国の順位を決める。