塚原氏「黙ってないわよ」パワハラ否定/一問一答

日本体操協会の塚原千恵子女子強化本部長=2018年7月18日

体操のリオデジャネイロ五輪女子代表の宮川紗江選手(18)が日本協会幹部からパワハラを受けたと主張した問題で、名指しされた塚原千恵子女子強化本部長(71)が30日、都内で取材に応じ、宮川選手の29日の会見での発言に反論した。29日までは日本協会から発言を禁止されていたという塚原氏は「これでは言ったもん勝ちじゃない! もう黙ってないわよ」と語気を強めて憤りをあらわにした。宮川選手に対して「五輪にいけない」と発言したことについて、その前段が抜けているなどと指摘した。

塚原女子強化本部長との一問一答は以下の通り。

-「五輪にはいけないと言われた」という宮川選手の発言について

塚原氏 宮川は(全日本)種目別選手権でも床7位、跳馬7位だった。東京五輪はチームと種目別合わせて6人出られる。彼女は(当落線上の)微妙な状況で、けがもしているし、失敗もしていて「こんなんじゃ五輪にいけないよ」とは言った。「五輪にいけない」の言葉の前に前段がある。東京五輪は選考会がちゃんとあるので透明性のある選考はしている。選考の仕方の詳細はまだ決まっていない。選手選考とかは私が案を出すけれども、決めるのは、遠征も含めて全部常務理事会で決定する。

-「速見コーチの100倍は教えられる」という発言について

塚原氏 言っていない。

-宮川選手は塚原氏から「宗教みたいね」と言われたと言っている

塚原氏 NTC(ナショナルトレーニングセンター)で説教されて、1時間立たされているのは見たことがある。跳馬の陰の見えないところに連れて行って見えないところで全く何をしているのか…。強化本部長として焦った。NTCでのこれは大問題になる、と。だからすぐに協会に報告して「急いで調査してください」と言った。苦情は受けた以上は調査しないと。(7月)11日から(弁護士が)コーチ4人、選手3人に対して聞き取りを初めて、15日に宮川と話をした。

「これは暴力ではないか?」と宮川に聞いたら、最初は否定した。目撃者も7人いるし「多くの証言があるからだめよ」と言ったら暴力は認めたけれど、宮川は「練習指導の一環だと思っています」と答えた。親は知っているのと聞くと「容認しています」と答えた。コーチ、親と一緒にチーム宮川でやってきたと言って、かたくなに言うことを聞かなかった。暴力があるのを家族も認めているのは異常でしょ? 「あら〜宗教みたいね」とは言った。それがだめなの? 女の子がたたかれていることがおかしい。たたいたら強くなるというのは間違いですよ。

-宮川選手に対して自身が監督を務める朝日生命への勧誘はあったのか

塚原氏 練習拠点としてNTCが使えない時は、2020特別強化選手は朝日生命の体育館が使える。コーチの補助も必要なので「朝日生命の体育館で練習しなさい」とマネジャーを通して提案した。

-速見コーチが宮川選手への暴力指導で無期限登録抹消処分を受けた後、宮川選手が7月の合宿で「帰りたい」と発言したことについて

塚原氏 宮川が「合宿を離れたい」と言った。勝手に休んだり合宿を抜けたりするのはわがまま。試技会も参考にしたり、合宿で分かることもあるし「帰りたい」はだめよ。「足が痛いから何もしていないじゃない」と言った。

-宮川選手は会見で「他の選手も同じことを思っている」と主張

塚原氏 選ばれない選手はそう思っているかもしれないね。

-圧力はあったのか

塚原氏 全部こういうふうに(雑談で)話していることです。圧力なんかありませんよ。

-自身は何も悪いことはしていないという認識?

塚原氏 悪いことはしていないし、宮川が勝手に言っていること。