幌村尚、矢島との「日本代表対決」0秒04差で制す

男子200メートルバタフライで優勝した幌村(撮影・益田一弘)

<競泳:日本学生選手権>◇7日◇神奈川・横浜国際プール◇日刊スポーツ新聞社後援◇男子200メートルバタフライ

男子200メートルバタフライで、ジャカルタ・アジア大会代表の幌村尚(19=早大)が、初優勝した。1分56秒08で、矢島優也(22=明大)との「日本代表対決」を0秒04差で制した。4月の日本選手権では瀬戸、坂井と世界のメダリスト2人を撃破して初優勝。だが右肩の違和感で夏のパンパシフィック選手権、アジア大会の連戦は不完全燃焼。初の学生日本一をきっかけとして、巻き返しを誓った。

幌村がぐいぐいとテンポを上げた。後半のスパートで先頭の矢島を猛追。ラスト5メートルで並びかけて、タッチの勝負。初優勝を確認して、左拳をグッと握った。同種目は昨年まで早大の先輩だった坂井が4連覇。「初優勝よりも、坂井さんのV4を早大としてつなぐことができてうれしい」と笑った。

4月の日本選手権で初優勝。日本代表での活躍が期待されたが、右肩の違和感で、フォームを崩した。パンパシでは決勝に進めず「こんな結果になってしまって…」と人目をはばからずに、涙した。連戦となったアジア大会では銀メダルを獲得。自己記録の1分53秒79には及ばない中でも、常に全力を尽くしてきた。

初の日本代表になった19歳の夏は、ほろ苦いものだった。ただ初の学生日本一に「勝負に勝つ、という意味でよかった。(右肩は)いきなり良くはならないけど、少しずつタイムは上がっている」と復調につなげる構えだ。【益田一弘】