錦織圭4強あるぞ 初戦フェデラー乗り切れば追い風

錦織圭(18年10月29日、撮影・PIKO)

打倒フェデラーで波に乗る! 11日に開幕する男子テニスのツアー最終戦ATPツアー・ファイナル(ロンドン)の1次リーグ組み合わせ抽選が5日(日本時間6日)に行われ、2年ぶり4度目の出場となる世界9位の錦織圭(28=日清食品)は、同3位のフェデラー(スイス)、同6位のアンダーソン(南アフリカ)、同8位のティエム(オーストリア)と同組に入った。11日(同12日午前5時開始)の初戦でフェデラーと顔を合わせる。

3度目の1次リーグ突破も見えてきた。同組となった3人のうち、対戦成績でフェデラーには負け越しているが、アンダーソン、ティエムには勝ち越している。特にその2人とは直近のツアーで対戦し、最終戦と同じ室内ハードコートで勝ち星を挙げている。十分に勝てる組み合わせだ。

2勝15敗と大の苦手としているジョコビッチ(セルビア)を、1次リーグで避けることができたのも大きい。イスナーと入れ替わりで、A組に入っていれば、ジョコビッチに加え、1勝2敗と負け越しているズベレフとも対戦せざるを得なかった。

追い風も吹いている。同2位のナダル(スペイン)が、右足首の手術のため欠場を決めた。代わりに同10位のイスナーの出場が決まった。もしナダルが出場していれば、ジョコビッチとフェデラーか、ナダルとフェデラーが一緒にいる組に入る可能性もあった。

右ひざを骨折したデルポトロの欠場が決まったとき、まず「彼の早期回復を祈る」と、ジュニア時代からよく知る同世代を気遣った。しかし、出場が決まれば「興奮している。しっかり調整したい」と、準備にぬかりはない。

右手首の腱(けん)の脱臼で、今年1月の全豪を欠場。出場義務が課された米インディアンウエルズでのマスターズ大会も病欠した。ともに0点が世界ランクのポイントに強制加算されながら、最終戦までたどり着いた。「今シーズンを誇りに思う」。まずは、エンジン全開でフェデラーにぶつかるだけだ。【吉松忠弘】

<ATPツアー・ファイナル>

◆歴史 70年に始まった男子ツアー最終戦。最多優勝は6回のフェデラー(スイス)。最多出場もフェデラーで16回。

◆出場資格 年末世界ランキング上位8人。9番手が補欠で待機する。

◆試合方式 8人を4人ずつ2組に分け、各組で総当たり戦。各組の上位2人が準決勝に進み、トーナメント方式で優勝を争う。

◆賞金 出場料で20万3000ドル(約2230万円)。1次リーグ1勝に付き同額がもらえる。5勝全勝で優勝すれば271万2000ドル(約2億9800万円)を獲得できる。

◆世界ランキングのポイント 1次リーグ1勝につき200点。全勝優勝なら1500点が手に入る。

◆豪華演出 高級ブランドのスーツが与えられる。14年に初出場した錦織はアルマーニだった。また、個室のロッカールームや、タオルなど、使用するものにはすべて名前入り。送り迎えはベンツ。