東レ大逆転で2年ぶりV王手「決勝も強気に戦う」

<バレーボール・全日本選手権:東レ3-2パナソニック>◇男子準決勝◇22日◇東京・大田区総合体育館

東レ(静岡・V1)が前回王者のパナソニック(大阪・V1)を3-2で破り、2年ぶりの決勝進出を果たした。序盤2セットを奪われたが、相手エースの負傷交代を潮目に流れが一変。3セットを奪い返して、逆転勝利を飾った。2大会ぶり9度目の栄冠に向けて、今日23日の決勝でJTと戦う。

崖っぷちからの大逆転だった。第1セットをパナソニックのクビアク(30)の攻守にわたる活躍で奪われると、第2セットも大接戦の末、粘り負け。後のない苦しい展開となった。しかし、第3セット途中でクビアクが足を引きずって退場すると、風向きが変わった。

相手エースの不在を受け、小林敦監督(44)は「守備のやり方をシフトチェンジして、相手とのマッチアップを考えた」。アウン・トゥ(27)と星野秀知主将(28)のポジションを入れ替えた。すると、相手の守備にミスマッチが生まれ、アウンをはじめとした東レの攻撃力が爆発した。

今年のチームテーマである「ブレイクプラス」という連続得点を狙う戦い方を披露。アタックやブロックで得点を重ね、第3、第4セットを連取した。第5セットの最後もその勢いを象徴するかのように、アウンのサイドライン際に落ちたサーブがチャレンジで認められ、勝利の瞬間を迎えた。

リーグでは7位と調子が上がらない中、今大会では一転して絶好調だ。小林監督は「けが人も戻ってくるから、リーグの敗戦でネガティブにならないように」と、選手たちに気持ちを切り替えさせている。決勝で戦うJTもリーグ戦4位で、東レより上位。星野主将は「(準決勝では)最後に波に乗れて、勝つことができた。後半はチームが一丸になっていたと思う。決勝も強気に戦いたい」と、2年ぶりの優勝へ向けて意気込んだ。【和田憲明】