吉田沙保里が引退会見「33年間に区切りをつける」

現役引退会見に臨む女子レスリングの吉田沙保里さん(撮影・小沢裕)

レスリング女子でオリンピック(五輪)3連覇の偉業を遂げ、8日に引退を発表した吉田沙保里さん(36=至学館大職)が10日午後、都内で引退会見を行った。

机といすが用意され、吉田さんは1人で座り、節目の会見に臨んだ。

カメラは20台を超え、報道陣も制限のある中、200人近くが詰めかけた。

無敵の女王で「霊長類最強女子」とも言われたが、闘いを終え白いジャケットで「最強女子」ともいえる、いでたちで登場した。

第一声は「皆さん、こんにちは。吉田沙保里です。本日はお忙しい中、お集まりいただき、まことにありがとうございます。このたび、33年間のレスリング生活に区切りをつけることにしました」などと話し始めた。

吉田さんは、8日に午後4時前にツイッターを更新。「この度、33年間のレスリング選手生活に区切りをつけることを決断いたしました。ここまで長い間、現役選手として頑張ってこれたのも沢山の方々の応援とサポートのおかげです。みなさん、本当にありがとうございました」とつづった。添えられた写真にはメダル17個が輝いていた。

4連覇がかかったリオ五輪は決勝で敗れた。この時点で引退は既定路線。その後はコーチ業のかたわら、タレント活動にも精力的で、15年末にはALSOKを退社し、16年11月から昨年8月末まで至学館大の副学長も務めた。

 

◆吉田沙保里(よしだ・さおり)1982年(昭57)10月5日、三重県津市生まれ。3歳の時に、父の指導でレスリングを始める。久居高-中京女大(現至学館大)-ALSOK-至学館大職員。04年アテネから12年ロンドン五輪まで女子55キロ級3連覇。16年リオ五輪で、伊調馨に続く五輪4連覇を目指し53キロ級に出場も、決勝でマルーリス(米国)に1-4で敗れた。12年11月に国民栄誉賞を受賞。現在は至学館大でコーチを務めている。家族は母と兄2人。157センチ。