コートとピッチで咲いたみちのく高校生ヒロイン

サッカー太田未蘭(専大北上)

冬の高校スポーツ全国選手権は、男子サッカー青森山田の2大会ぶり2度目の優勝で幕を閉じた。女子では、サッカーの常盤木学園(宮城)が準V、陸上駅伝の仙台育英(宮城)が3位入賞と、ヒロインたちの活躍も目立った年末年始だった。「みちのくプラス!!」では、彼女たち高校生アスリートを特集。「コートとピッチで咲いたみちのくヒロイン」と題し、冬の陣を振り返る。【取材・撮影=佐々木雄高、下田雄一、野上伸悟、鎌田直秀、中島正好】

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<女子サッカー>

◆太田未蘭 専大北上(岩手)3年

2回戦で常盤木学園と対戦して完敗も、後半にシュート2本を放って意地を見せた。サッカー好きの父義信さんからACミランにちなみ名付けられた。幼い頃は自らも当時ACミランのカカに憧れた。山梨学院大に進学予定。

◆高山桃 専大北上(岩手)3年

3年連続3回目の出場で悲願の全国初勝利。痛めた両膝にテーピングをしながらプレーした。「岩手の女子サッカーを変えたいと思ってやってきた。後輩たちには宮城を倒しての4強を目指して欲しい」。順大に進学予定。

◆沖野るせり 常盤木学園(宮城)2年

1年時からベンチ入りし、今季はトップ下でピッチを縦横無尽に走り回り、攻撃を支えた。パス、得点感覚だけでなく、球際にも強くボール奪取も非凡。姉はマイナビ仙台のFW沖野くれあ(19)。北海道出身。

◆大河内友貴 常盤木学園(宮城)3年

3バックの中央でDF陣を統率。的確な判断、コーチング、絶妙なカバリング、強固な当たり、そして強い責任感で最後のとりでとなった。U-18日本代表候補で、なでしこ1部の長野に入団する。北海道出身。

◆吉野真央 聖和学園(宮城)3年

熊本出身で聖和学園の華麗なパスサッカーに憧れて入学したDFの要。主将としてチームを引っ張り、初戦の聖カピタニオ女子戦ではアイデアあふれる聖和サッカーを披露したが、2年連続でPK戦敗退した。早大に進学予定。

<女子バレー>

◆野中瑠衣 秋田北・2年

エースとしてけん引。身長177センチ、最高到達点295センチ。17年アジアユース優勝、世界ユース5位に貢献した有望株だ。元日本代表の木村沙織さんに憧れ、「もっと相手を見ながらコースを打ち分けられるように」と成長を続ける。

◆滝田遥菜 盛岡誠桜(岩手)2年

セッターで多彩な攻撃を支えた。3回戦で鎮西(熊本)にフルセットで逆転負けしたが、2勝を挙げて6年ぶりの16強入りを果たした。サーブやブロックで得点もマーク。新チームでも攻撃的セッターとして核になる。

◆井上芙香 郡山女大付(福島)3年

登録上、主将になれないリベロだが、実質的な主将でチームをまとめた。160センチと小柄ながらセンター対応でフル出場。青学大に進学予定で「全力を出し切った。次のステージでも頑張りたい」と大学日本一を見据えた。

◆森川寛叶(のりか) 青森西・3年

笑みを絶やさずチームを鼓舞し、全国1勝を挙げた。進学準備などで6人が昨夏限りで引退し、「大変なところもありました」と3年生は3人だけで若いチームをまとめた。卒業後は地元青森で就職し、競技からも離れる。

◆吉田あゆみ 古川学園(宮城)3年

U-19代表でスパイク打数はチームトップ。バックライトからの強打も超高校級だった。埼玉・所沢市出身で卒業後はVリーグのNECに進む。「スパイクだけではなく、レシーブも拾える選手に」と成長を誓った。

<女子バスケ>

◆今野紀花 聖和学園(宮城)3年

178センチの次世代日本代表ヒロイン。ワンハンドのジャンプシュートや、ゴール前のステップなど華麗さと強さを兼ね備える。愛称「サク」のように。コートに花が咲く。卒業後は米国の強豪ルイビル大に進学する。

◆川村凜子 柴田女(青森)1年

169センチの長身で、白く、細く、長い手足。ゴール下でボールを受けてのジャンプシュートは華麗。青森に飛来する白鳥のようだった。4得点に終わったが、強さと速さに磨きをかけ、大舞台への“再飛来”を誓った。

◆生目田汐織 郡山商(福島)3年

U-18日本代表の片りんを見せた。2回戦で準Vの岐阜女に敗れたが、高さで勝る相手に得意のドライブでアタック。「ディフェンスを意識して臨んだが余計な手が出てしまった」と悔やんだが、持てるポテンシャルは出した。

◆加藤遥菜 山形商・3年

1回戦で19得点を挙げ富岡東(徳島)に完勝し、自身にとって全国初勝利に笑顔。だが2回戦は聖和学園に7得点に抑えられ、「3年生の自分が下級生を引っ張れなかった」と完敗に涙。卒業後は江戸川大でバスケを続ける。

◆安藤千遥 湯沢翔北(秋田)3年

チーム最小の160センチながらドリブルで果敢に中へ切れ込む姿が光った。初戦敗退もベスト4入りした昭和学院(千葉)にひと泡吹かせる場面もあった。福島大へ進学予定で、目標だったベスト8入りを後輩に託した。