新潟五十嵐リーグ初3P300本達成で最長7連勝だ

全体練習後の自主練習で、3点シュートを打つPG五十嵐

B1新潟アルビレックスBBはオフ明けの21日、第20節富山グラウジーズ戦(23日・アオーレ長岡)に向けた練習を中之島体育館で行った。チーム最長7連勝がかかった一戦だが、PG五十嵐圭(38)にはB1通算3点シュート成功数でリーグ史上初の「300本」達成もかかる。大記録へはあと2。中地区首位と好調なチームを支える大黒柱の大記録到達は、チームの連勝をぐっと手元に引き寄せる。

Bリーグ初の3点シュート成功300の大台も、五十嵐の眼中にはなかった。「あと2本なんですね。知らなかったです」とリラックスした様子で笑う。「それが勝利につながればいい」。

いつも最優先するのはチームの勝利。富山戦を想定したこの日の練習もパス、シュートを的確に繰り出した。全体練習後の自主練習では全方向から3点シュートを打って普段通りに締めた。富山に勝てば到達するチーム最長の7連勝や、22勝10敗で中地区首位に立っている現状についても「まったく意識していないです」と必要以上の重圧もない。

「目の前の試合に勝つこと。そこに集中している」。先を見ず1歩1歩。富山戦も今までの試合と同じ。富山には前回対戦のホーム戦で2連勝。「ホームで3連勝したい。そのために自分たちのプレーをすること」と照準を合わせた。

今、打つべき1本に全力を注いできたことが、大記録への道になった。毎年個人目標に掲げているのが1試合平均15得点。「狙える時は積極的に打っていく」。今季ここまでの32試合で放った3点シュートは208本、1試合平均6・5本。成功率は33%と飛び抜けて高いわけではないが、外れてもチャンスと見れば迷いなく打つ姿勢が、チームのアグレッシブさにもつながる。

「3点シュートを打ち始めたのは、実はBリーグになってから」と言う。中大時代はパスが中心の司令塔だった。06年に世界選手権の日本代表に選ばれ、当時のジェリコ・パブリセヴィッチ監督(67)に「PGも得点を取らなければならない」とアドバイスされ、意識の奥に置いた。16年に新潟に移籍し、自身が中心になることを自覚。シュートの選択肢の中に自然と3点シュートが入ってきた。

記録達成はあくまで結果。「うちのチームはいい時間帯に一気に畳みかけられるようになった」。感じられるようになったたくましさ。今は内容を充実させるとき。その中で五十嵐が抜く“宝刀”が試合を決める。【斎藤慎一郎】