「阿部一二三投げた女子」鍋倉那美がGSパリV宣言

グランドスラム・パリ大会への意気込みを語る鍋倉那美(撮影・峯岸佑樹)

18年ジャカルタ・アジア大会柔道女子63キロ級金メダルの鍋倉那美(21=三井住友海上)が5日、同じ年で男子66キロ級世界王者の阿部一二三(21=日体大)に対抗心を燃やした。

グランドスラム(GS)パリ大会(9~10日)に出場するため一部の男女日本代表とともに羽田空港を出発。搭乗前、取材に応じた鍋倉は「たぶん、一二三選手は優勝すると思うので、私も優勝したい。負けられない」と気合を入れた。鍋倉は小学生の頃、同じ兵庫出身の阿部を大会で何度も投げ飛ばし、勝利を収めていた。柔道界では「阿部一二三に勝った女子選手」として広く知られている。海外の国際大会で、2人が同じ大会に出場することは珍しいという。

16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)代表で18年世界選手権銀メダルの田代未来(24=コマツ)を追う代表2番手。昨年のGSパリ大会では5位に沈んだが、この1年間で20年東京オリンピック(五輪)に向けての気持ちが大きく変化した。「今年は東京五輪の絶対の思いがあるので勝ちたい。五輪に出たいのなら勝つしかないという現実がしっかり見えている。田代さんを簡単に代表にさせるわけにはいかない」。

横で取材対応していた阿部は、鍋倉について「勝ったことがないので…」と冗談交じりに恐縮したが、「僕もしっかり勝ちきって、男子と女子で刺激し合えば良いと思う」と気を引き締めた。