仙台89ERS連敗止めた 泉3P4本でMVP獲得

「3・11」を前に被災地の思いを背負うホーム仙台と福島の選手たちは試合前に黙とうを捧げる

<バスケットボール・B2リーグ:仙台80-56福島>◇9日◇第25節◇カメイアリーナ仙台

東地区3位の仙台89ERSが80-56で同4位の福島ファイヤーボンズを退け、6戦ぶりの白星を挙げた。東日本大震災から8年の「3・11」を前に、ともに被災地を本拠地にする「東北ダービー」。仙台の泉秀岳(27)がリーグ自己最多の3点シュート4本を含む計14得点でMVPを獲得し、守っては今季2番目の最少失点に抑えた。

仙台がホームで快勝し、5連敗から脱出した。4クオーター(Q)すべてで相手得点を上回る今季4度目の「完全勝利」。7点目からリードを許さず、24点差で逃げ切った。第1Qは泉がシュート成功率10割でチームを引っ張った。現チームで震災時を知るのは、現役引退した志村雄彦GM(36)だけ。泉は「志村GMから話を聞いていたので、自分のプレーで引っ張りたいと思っていた。3点シュート4本は初めてなのでうれしい」と胸を張った。

桶谷大ヘッドコーチ(41)は試合前、「この時期に福島と試合をする意味を考えよう」と選手たちに問いかけていた。同コーチは「意味のある試合の中で、みんなが必要なことをしてくれた。ちょっとうるうるしました」と満足した。【佐々木雄高】