決勝は朝109昼69晩148種目 大忙し東京五輪

東京五輪主な日程

東京オリンピック(五輪)の17日間、早朝から深夜まで、日本中が大会に沸く。2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は16日、五輪競技の種目別の詳細なスケジュールを発表した。バスケットボール男子、陸上9種目などの決勝が午前に組み込まれたことで、午前も午後も連日金メダリストが誕生することになった。来年夏、日本列島は朝から晩まで五輪一色に染まる。

国内外の報道陣を前に、組織委の室伏広治スポーツディレクター(SD)は胸を張って言った。「大会を通して盛り上がりのあるスケジュールになった」。A4で21枚の詳細な日程表には、32競技326種目(資格停止中のボクシングを除く)が序盤、中盤、終盤にバランスよく並んだ。

いつもの大会に比べ、午前中に行われる決勝が急増した。すでに競泳の午前決勝は決まっていたが、陸上も43種目中9種目、男女のバスケットボールも決勝は午前中に始まる。メダルイベントを時間帯別に調べると朝(5時30分~14時)が109、昼(11~18時)が69、夜(17時以降)が148。一日中メダルが決まる試合が行われている。

午前中に決勝が行われるのは米国のテレビ視聴者への配慮といわれる。この日午前6時スタートが発表された男女マラソンや同5時30分スタートの50キロ競歩、トライアスロンなどは「暑さ対策」という名目からだが、基本的に午前決勝は米国で人気のスポーツ。スケートボードや自転車BMXフリースタイルなど米国の「Xゲーム」競技が午前決勝なのも、米国での人気からだろう。

ただ、午前と午後に決勝が散らばったおかげで、人気が集中することも避けられる。5月に始まるチケット申し込みでも、人気が分かれそう。室伏SDは「陸上は午前も午後もフルスタジアム(満員)に」と、多くの来場者に期待した。

スケジュールは「アスリートファースト」であるとともに、観戦者やテレビ視聴者も考慮される。午前決勝は不慣れな選手にとっては厳しいが、観戦機会、視聴機会は増える可能性がある。8月1日と8日の土曜日を「スーパーサタデー」に続き、今回は8月2日の日曜日を「ゴールデンサンデー」としてアピール。日本の金メダル有力競技に、日本中が盛り上がる。

会見に出席した柔道男子の井上康生監督は「柔道以外のスポーツの日程を見てワクワクしてくる」。全競技のトップを切って被災地福島で開幕するソフトボールの宇津木麗華監督は「日本の一員、福島の一員として、いいプレーをしたい。福島に勇気を与えたい」と話した。開会式から閉会式まで、朝も昼も夜も、五輪の興奮が日本を包む。【荻島弘一】

◆20年競技日程主なポイント

(1)開会式2日前の7月22日午前9時のソフトボールで競技を開始。

(2)開閉会式は午後8時から。

(3)金メダル第1号は開会式翌日の7月25日の射撃女子エアライフル。

(4)陸上のトラック、フィールド全43種目中、男子110メートル障害など9種目の決勝を午前開始の時間帯で実施。

(5)陸上の男子100メートルは8月2日夜、日本のメダルが期待される男子400メートルリレーは7日夜に決勝。

(6)男女マラソンと男女20キロ競歩は午前6時、男子50キロ競歩は午前5時半開始。

(7)午前決勝と決まっていた競泳のほか、バスケットボール、ビーチバレー決勝も午前開始。

(8)8月8日に野球やサッカー男子など最多30種目の決勝。