伊調馨まるで千手観音、昨年女王の栄も緊張隠せず

04年8月、アテネ五輪のレスリング女子63キロ級で金メダルを獲得した伊調馨(2004年8月23日)

レスリング女子の伊調馨(34=ALSOK)が26日に出場するアジア選手権(中国・西安)女子57キロ級の組み合わせが25日、決まった。

出場は10人で、伊調は16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)以来の国際大会となる初戦で韓国のベテラン、厳地恩(オム・ジウン、31)と対戦。順当ならば2回戦で昨年アジア大会優勝のチョン・ミョンスク(25=北朝鮮)、決勝で昨年世界女王の栄寧寧(21=中国)と対戦する。

伊調はこの日午前中、会場で約1時間、軽く汗を流した。笹山監督は「組み手争いなどのレベルが違う」と話し、西口強化本部長も「次々と手が出てくる。まるで『千手観音』。負ける絵が浮かばない」と絶賛した。

伊調の挑戦を受ける立場の栄は、日本メディアのカメラを避けるように練習。五輪4連覇の「絶対女王」との対戦を前に、緊張は隠せなかった。20年東京五輪での男女を通じて史上初の個人種目5連覇に向けて走りだした伊調が、2年8カ月ぶりの国際大会に臨む。