千葉富樫、Bリーグ初V逃すも「胸張って戻りたい」

千葉対A東京 接戦の末、A東京に敗れ、悔しそうな表情を見せる千葉富樫勇樹(右)(撮影・垰建太)

<バスケットボールBリーグチャンピオンシップ:千葉67-71A東京>◇決勝◇11日◇横浜アリーナ

千葉ジェッツがアルバルク東京に67-71で敗れ、Bリーグ初優勝を逃した。レギュラーシーズン52勝8敗、8割超という驚異的な勝率で東地区を制したが、同地区3位でワイルドカードからファイナル進出を決めたA東京との一発勝負に泣いた。

それでも最後まで見せ場をつくった。第3クオーター(Q)で19点差を付けられ迎えた最終Q。相手に5分以上、得点を許さず、その間に14得点を一気に挙げた。5点差に縮めた富樫の連続3点シュートで、千葉ファンは大逆転を信じた。

3本目となった富樫の3点シュートで67-69と2点差に縮め、会場の盛り上がりは最高潮に。その直後、千葉はチームディフェンスでボールを奪い、同点に追いつくかに思われたがパスミスで再びボールを失い、残り16秒7。時間がなく相手をファウルで止めるしかなくなり、千葉に与えたフリースロー2本が無情にも決まり、万事休す。試合後、富樫はコートサイドに座り込み、ライバルの歓喜を悔しそうに見つめた。

昨年と同じ会場、同じ相手に目の前で優勝を奪われた。「同じ相手と同じ場所で戦えるのはうれしい。1年間この日のために戦ってきた。積み上げてきたものをすべて出してリベンジしたい」と語っていたが、またしても阻まれた。

それでもレギュラーシーズンの勝率8割6分7厘という圧倒的な強さを見せたこの1年を受け、前向きな気持ちを語った。

「試合後は感情的になり、今年も勝てなかったと思った。でも今シーズンのことを思い出していたら、チームでやって来たことはすばらしいことばかりだった。ファイナル1試合だけでこのチームを判断したくないなと思い、チームとしてこの1年間、頑張って良いチームが作れたなと。Bリーグでベストなチームと胸を張って言える。悔しいというより、自分たちが1年間やって来たことは、ファイナル以外で見せられたと思っている。胸を張って(千葉に)戻りたい。これで終わりではないので、もう次に向かっている」

そう語った会見では悔しさよりも充実感に満ちあふれ、チームメートみんなをたたえた。