明大・九里劇的TD「人生で一番うれしい」アメフト

明大QB西本(右端)は3TDパスで関学大を破った

<アメリカンフットボール定期戦:明大27-26関学大>◇19日◇東京・調布アミノバイタルフィールド

明大が劇的逆転サヨナラTDで、大学2連覇を狙う関学大から10年ぶりで白星を飾った。

5点リードされての残り1秒から、QB西本(3年)からWR九里(4年)に17ヤードTDパス。27-26とこの試合4度目の逆転で勝利を収めた。大学日本一を決める甲子園ボウルに85年以来6度目の出場で悲願へ、価値ある白星を挙げた。

シーソーゲームの激戦は明大の先制で始まった。3度目の攻撃でランよく攻め込み、西本から九里へ33ヤードのTDパスを決めた。直後に98ヤードのキックオフリターンTDを返されたが、第2QにRB小泉(4年)が11ヤードのランTD。前半を14-9とリードした。

後半はいきなりパントをブロックされ、5ヤードのリターンTDで14-16と逆転を許す。さらにインターセプトからFGを決められた。返しの攻撃で西本がWR坂本(4年)に39ヤードパスでTDし、21-19とひっくり返した。第4Qに関学大に攻撃を許し、RB前田(2年)の5ヤードのTDラン。21-25とまた逆転され、残り時間は3分を切っていた。

明大の攻撃はパントに終わるが、守備も関学大をパントに抑えた。このパントをブロックし、1分35秒を残して好位置で攻撃権を得た。第4ダウンギャンブルを含め、5本のパスを決めて攻め込み、残り1秒で劇的TDパスを決めた。

口火を切り、最後を締めたヒーローの九里は「これまでの人生で一番うれしかった。ハイボールは自信もあり、捕れるという自信を持ってプレーした」と声を上ずらせた。3TDパスを決めた西本も「最後も信じていた。これで甲子園を実感できたはず」と満面の笑みだった。

14年に現在のリーグ編成となり、明大は昨季初の2位に躍進した。伝統のランに加えてパスで攻撃に厚みが増した。今季は優勝候補の一角で34年ぶりの甲子園ボウルで初優勝が目標。岩崎監督は「最後は選手がよくやったが、関学大は1・5本目だし。先は長い。一歩一歩やるだけ」と控えめ。九里も「「喜ぶのはミーティングまで。自信になるが慢心にならないように。まず関東で勝つこと」と6月に対戦する昨季関東を制した早大戦を見据えた。

関学大はQB奥野が先発したが、ケガで早々にベンチに下がった。QBは序列3、4番手が出場となり、攻撃では1TDとパッとしなかった。前半ゴール前に攻め込むもファンブルロスト、キッキングでは2TDも最後にピンチを作るなど、関学大らしくなかった。

鳥内監督は「奥野のケガでプランが狂ったが、層も厚くしないと。ミスもあるし、あかん。選手がこれをどう考えるかや」と話していた。