東京五輪・パラで「宇宙聖火リレー」案浮上

東京五輪の聖火リレートーチ(左)東京パラリンピックの聖火リレートーチ((C)Tokyo 2020)

2020年東京オリンピック(五輪)・パラリンピックで「宇宙聖火リレー」案が浮上していることが29日、分かった。安全上の制約があり聖火自体を点火することはできないため、トーチだけが宇宙に運ばれる予定。実現すれば夏季五輪としては初で、冬季を含めれば14年ソチ五輪以来となる。

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過去の五輪でも恒例だった聖火リレーのサプライズルートが、東京大会でも浮上した。ロケットでトーチを国際宇宙ステーション(ISS)に運び、宇宙飛行士がそれを掲げる聖火リレー特別編。

五輪聖火リレーがスタートする20年3月26日からパラリンピックの期間中、2人の日本人宇宙飛行士がISSに滞在予定。宇宙航空研究開発機構(JAXA)のホームページによると、野口聡一宇宙飛行士(54)が19年末から約半年間。星出彰彦宇宙飛行士(50)が20年5月から約半年間、若田光一氏以来となる日本人2人目の船長としてISSに滞在する。

日本人宇宙飛行士による「宇宙聖火リレー」が実現すれば、国内の大会機運醸成に大きくつながり、世界的なPR効果となる。

過去大会でも世界を驚かす計画が実施されてきた。五輪史上初めて「宇宙聖火リレー」が実施されたのは14年ソチ冬季五輪。有人宇宙飛行を初めて成功させた宇宙開発の先進国ロシアとして、独自色を出した。宇宙船ソユーズでトーチを運び、ロシア人宇宙飛行士がトーチを持ってISSの船外に運び出した。

00年シドニー五輪では世界遺産のサンゴ礁地帯、グレート・バリア・リーフで海中聖火リレーが行われた。08年北京五輪では世界規模でリレーし、世界最高峰のエベレスト山頂にも行った。昨年の平昌冬季五輪ではロボットによる聖火リレーが行われた。東京大会でも実現すれば、大きな反響を呼ぶ計画になることは間違いない。