錦織4強逃す…体力限界 長い試合時間ゲーム数多く

いらだつ錦織はラケットをたたきつけようとする(撮影・山崎安昭)

<テニス:全仏オープン>◇4日◇フランス・パリ◇男子シングルス準々決勝

世界7位の錦織圭(29=日清食品)が、赤土の絶対王者ナダルの前に敗れた。05年初出場初優勝以来、全仏90勝2敗の同2位、ラファエル・ナダル(スペイン)に1-6、1-6、3-6で敗退し、日本男子として、33年佐藤次郎以来86年ぶりの全仏4強は来年以降に持ち越しとなった。

錦織は3回戦で4時間26分、4回戦で2日がかりの3時間55分を戦い、体力的には限界だった。ベスト8の8選手の中で、1試合平均時間3時間21分、1試合平均44・25ゲームはダントツに多く、4回戦はぎりぎりの状態で勝ち上がった。また、2日の4回戦が2日がかりとなったため、2日から3連戦となった。

持てる力を振り絞った。なるべく体力使わないように速めの攻撃を仕掛け、ナダルから構える時間を奪った。それは、ナダルに勝った15年ロジャーズ杯、16年リオ五輪の時と同様の戦法だった。

全仏でナダルを倒したのは、過去2人しかいない。09年4回戦のセーデリング(スウェーデン)、15年決勝のジョコビッチ(セルビア)だけだ。16年は3回戦で敗れているが、この時は、戦わずに棄権したため、勝敗には数えない。

普通の状態でも、その驚異的な赤土の絶対王者を倒すのは困難だ。タンクが空の状態での錦織にとっては、厳しい組み合わせだった。

◆全仏オープンは、WOWOWで5月26日~6月10日、連日生中継。WOWOWメンバーズオンデマンドでも配信。