旭川北・中川彩名が初優勝「うれしい」アーチェリー

初優勝に笑顔を見せる旭川北・中川(撮影・浅水友輝)

アーチェリー個人女子は中川彩名(旭川北2年)が初優勝した。5-5で並んだ準決勝を一発勝負のシュートオフで制すと、決勝でも帯広三条・中井を6-4で下した。初の栄冠を手にした2年生女王は「緊張の限界を超えていましたが、優勝できて本当にうれしい」と喜んだ。

不安も、重圧も、笑顔ではじき飛ばした。前日の公式練習は絶不調。「プレッシャーでいっぱいだった」と、13本中3本の矢が的から大きく外れ野原に飛んでいった。だが一夜明けたこの日、大好きな欅坂46の「風に吹かれても」のフレーズが頭をよぎった。「『アレコレと考えてもなるようにしかならない』って思った。負けてもともと。楽しもう」。決勝では4-4に追いつかれた最終第5セット、8、9、10点と高得点を3本そろえ逃げきった。

旭川北門中まではチアリーディングに励んだ。苦境の中でも笑顔でいることの大切さは人一倍知っていた。高校入学後に始めたアーチェリーでも、培った精神力と身のこなし、そしてスマイルで困難を乗り越えてきた。17年に旭川北を総体女子団体優勝に導いた鈴木隆行監督(55)も「もともと実力がある。集中力もあり、気持ちが強い選手」と高い素質を認めた。

優勝後に抱きつかれた先輩たちとともに、7日団体戦でも全国(8月7日開幕=熊本)出場権を獲得するのが目標だ。中川は「インターハイではベスト16が目標。その前に団体で全国をつかみたいです」。次は先輩とともに笑顔を咲かせる。【浅水友輝】