八村絡んだトレードの可能性ゼロではない/塚本清彦

ウィザーズからの指名を受け、米テレビのインタビューに笑顔で答える八村塁(撮影・桝田朗)

RakutenTV NBAコメンテーターでNBAドラフトを現地視察した元明大ヘッドコーチの塚本清彦氏(58)が八村の今後について占った。

正直9位は予想してなかった。聞いたときは鳥肌が立った。日本の歴史が変わった。203センチと平均的スモールフォワードで現在はインサイドをやっているが、アウトサイドの適応能力もあることで評価を上げた。NBAでは3点シュートの距離が伸びるため、シュート技術の向上が成功へのカギとなるだろう。

ウィザーズは今季地区4位でプレーオフ進出を逃した。1番の要因は、中心選手のウォールがアキレス腱(けん)のけがで後半出場できなかったこと。来季開幕も絶望で、16年から指揮を執るブルックス・ヘッドコーチの手腕が試される。

NBAドラフトは、直前までトレードのための指名権譲渡が行われる。指名順が前日から大きく変わったことも、9位指名に影響したと考えられる。主力のビールは、7月解禁のFA市場で人気があり、移籍の可能性が高い。その余波で今後、八村が絡んだトレードの可能性もゼロではない。ただ、NBAにおけるトレードは、価値ある選手がより良い条件を得るために行われることが多く、悲観するものではない。ポジティブに挑戦することが大事。

年俸約4億円を手にした八村だが、活躍次第では100億円もあれば0円もある。来月に行われるサマーリーグ、8月の代表戦、W杯を含め、10月の開幕に向け厳しい戦いが始まる。