馬術クロスカントリーも開始時間前倒しの声が多数

東京五輪の馬術テスト大会総合馬術で表彰台に上がった左から2位北島隆三、1位ミヒャエル・ユング、3位大岩義明(撮影・三須一紀)

20年東京五輪で実施する馬術のテスト大会(総合馬術)最終日が14日、馬事公苑(世田谷区)で行われ、来年の本大会へ向け、クロスカントリーの開始時間を前倒しする要望の声が国内外の選手から挙がった。

五輪本番では8月2日午前8時30分から同11時55分に実施されるクロスカントリー。前日も同様の声が相次いだが、この日は五輪3大会連続出場中の第一人者、大岩義明(43=nittoh)も同調。「東京五輪が決まった瞬間からクロスカントリーは早朝でなければ難しいと思っていた。6時ぐらいが良いと思う。理由は馬の体調。馬が気持ち良く走れることが一番」と語った。

女性騎手のスペンス・ジョージー(英国)も「6時スタート案には同意する。フェアな競技環境になる」と語った。朝スタートと昼近くのスタートでは人馬に与える暑さの影響に差が出るからだ。一方で、どの時間帯にしても有利不利の差は出るという選手もいた。

国際馬術連盟の獣医師であるヨーラン・アケストロム氏は選手の要望について「しっかりと選手らから聞き取りした上で組織委と協議し、検討したい。ただ、早めることで公平性がなくなる場合もある。日の角度が変わり、日陰の位置も変わってくる。私は8時30分が最善と思っている」と語った。クロスカントリー後の馬のクールダウンもうまくいったといい、各馬の健康状態も良好という。

組織委の森泰夫運営局次長は「国際競技団体が持つ科学的なデータなどを含めて検討したい」と語った。【三須一紀】