サフィルヴァ北海道アマ軍団船出 V3今季新規参入

今季Vリーグに参入するサフィルヴァ北海道は新チーム始動戦に向けて意気込む(撮影・浅水友輝)

北海道のバレーボール界を盛り上げる。11月23日に開幕するバレーボールVリーグ男子3部(V3)にサフィルヴァ北海道が新規参入する。チームは会社員9人、教員4人、学生1人と全員が仕事や学業と競技を両立させるアマチュア集団。18日には旭川市を拠点にするヴォレアス北海道(同2部)と旭川・道北アークス大雪アリーナで対戦。3カ月後に迫る最高峰の舞台に向け、チーム作りを加速させていく。

  ◇   ◇   ◇  

小学校の教員、児童デイサービスの職員、営業マン…。本職がバラバラな選手が集まったチームが最高峰の舞台を目指す。16年創部のサフィルヴァ北海道が今季からVリーグ3部に参戦する。草創期からチームを引っ張る青島賢司主将(31)は「最初はVリーグを目指すと言っても半信半疑だったけど、参入が決まり自覚も生まれてきた」。昨年10月の参入承認以降、クラブチームからの脱皮を推し進め、強化を図ってきた。

チームは全員がアマチュア契約。所属企業や道教委に理解は得ているものの、仕事が最優先。小学校教諭の青島は「仕事をないがしろにしては成り立たないチーム」と強調する一方で、競技に打ち込む姿勢に甘えはない。最年長の吉田康祐(39)は遠軽町で教員として働きながら、3時間半かけて札幌市内での練習に通う。「子どもや親から『頑張ってください』と応援されている」。仕事をハンディにするつもりはない。

所属選手は全員が5月のチーム編成セレクションに参加した。現14人のうち昨季からの所属は6人のみだ。V3奈良から移籍した清水久雄(32)は「これまでとは違い、人に見られる環境に変わる。マナーや規律といった部分でもプロ意識を持つ集団にしていきたい」。京都市内の中学校を1学期で辞めて加入したベテランも不退転の覚悟だ。

目標は5年以内のV1昇格。北海道は男子の東海大四(現東海大札幌)や女子の旭川実、妹背牛商(閉校)が全国制覇を果たすなどジュニア世代の競技熱が高い。辻井淳一部長(45)は「ジュニア世代が憧れ、バレーボールをやってみたいと思ってもらえるチームを目指す」と意気込む。

18日には今季からV2に昇格するヴォレアス北海道と対戦する。青島は「チームの立ち位置を見る上でも大事な試合」。優勝を目指す今季に向けて現時点での力試しの一戦になる。【浅水友輝】

◆サフィルヴァ北海道 特定非営利活動法人「Mirrisoスポーツ」が16年4月にチーム発足。トップチームの下に、男女のU15、U12、アカデミーを抱える。17年全日本クラブカップ決勝トーナメント2回戦敗退、18年全国バレーボールリーグ東部3位、全日本クラブカップ3位。同年10月にVリーグ機構理事会から19-20シーズンのリーグ参入を承認された。チーム名の「Safilva」はポルトガル語で「desafio(挑戦)」「benefisio(恩恵)」「lirio do vale(すずらん)」を交ぜた造語。

◆Vリーグ 18-19シーズンから始まったバレーボールの新リーグ。男子3部、女子2部制で、各カテゴリーで戦うためのライセンス制が導入されている。今季チーム数は男子はV1=10、V2=12、V3=4で構成される。競技形式は、ヴォレアス北海道が参戦するV2は2回戦総当たり、サフィルヴァ北海道が戦うV3は5回戦総当たりのリーグ戦で順位を決定する。