永原、松本組が連続世界一 東京五輪金メダル視野

<バドミントン:世界選手権>◇最終日◇25日◇女子ダブルス決勝

【バーゼル(スイス)=松熊洋介】昨年と同じ顔合わせの女子ダブルスは第1シードの永原和可那、松本麻佑組(北都銀行)が第2シードの福島由紀、広田彩花組(アメリカンベイプ岐阜)に2-1で勝ち、大会2連覇。世界選手権で日本勢の連覇は初めて。日本勢が全5種目で表彰台をつかむ史上初の快挙。昨年の最多6個に並ぶメダルラッシュとなった。

世界女王の座を争う日本勢の頂上対決は、昨年同様最後まで壮絶な打ち合いが続いた。6連続失点でマッチポイントを握られたが、そこから3連続得点。最後は永原のドロップショットで、日本勢初の2年連続世界王者となった。

優勝を報告したかった人がいた。準々決勝で対戦した同じ北都銀行の米元、田中組だ。第2ゲーム途中で米元が左アキレス腱(けん)を断裂し途中棄権。長期離脱となり、東京オリンピック(五輪)出場は難しくなった。普段から頼りにする先輩の思いを背負い準決勝、決勝を戦った。永原は「秋田の方々にも、2人の分まで頑張ってと言われていた。皆さんにもいい報告ができたと思う」と笑顔を見せた。

今年はひと味違う優勝だった。昨年は初出場で、自分たちの力を試すだけで勢いだけだった。松本は「優勝を見ずに1戦1戦戦い抜いた昨年と、1年間この大会での優勝を見据えてやってきた今年は違う」と話した。永原も以前「昨年の優勝がなければ今の立ち位置もなかった。あの優勝があったから結果もついてきた。他の大会よりも思い入れは強い」と話す。

世界ランキングも1位になり研究される立場になって、松本は「連続で攻撃をさせてくれない。結構、振り回されることが多くなってきた」と感じるようになったが、スタイルは変えなかった。「昨年のような初心の気持ちを忘れずに常に戦っている」。1年前、自分たちを変えてくれた世界選手権で2人は再び頂点に輝いた。東京での金メダルが見えてきた。