阿部一二三「兄として情けない」妹詩とW金ならず

メダリスト会見で席に着いた阿部一(右)を見つめる阿部詩(撮影・河野匠)

<柔道:世界選手権>◇第2日◇26日◇東京・日本武道館◇男子66キロ級、女子52キロ級

男子66キロ級で、初出場の丸山城志郎(26=ミキハウス)が金メダルを獲得した。準決勝では3連覇を狙った阿部一二三(22=日体大)を延長の末、下した。女子52キロ級では世界女王の阿部詩(19=日体大)が2連覇を達成。阿部一と17年世界女王の志々目愛(25=了徳寺大職)は敗者復活戦を勝ち上がり、ともに銅メダルを獲得した。

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阿部一は丸山との準決勝を振り返り「自分はまだまだだと。たくさんの試練があるんで…」と言葉を詰まらせた。相手がケガした序盤は圧倒的に攻めたが「そこで決めきれなかったのが弱さ。まだまだです」と涙をこらえて絞り出した。

3連覇、兄妹Vを公言して臨んだ。大会の「顔」としてテレビ中継の番組宣伝にも登場した。しかし、敗れた。3位決定戦では今年2月のグランドスラムパリ初戦で一本負けしたロンバルド(イタリア)と対戦。「続けて負けられない」と延長の末にリベンジはしたが、妹は優勝。「兄として情けない」と話した。

東京五輪代表争いで後れを取ったが「来年、ここで優勝するという目標は変わらない」と言った。3回戦で痛めた右目は腫れ上がり「見えない」と言いながらも「結果とは関係ない」と強気。「あと一押しが足りない。その差を埋めていきたい」とライバルへのリベンジを誓っていた。