銀メダル向翔一郎の付き人は異色のキックボクサー

向の試合を客席から見守るキックボクサーの加藤虎於奈(撮影・鈴木みどり)

<柔道:世界選手権>◇第5日◇29日◇東京・日本武道館◇男子90キロ級

<とっておきメモ>

男子90キロで初出場の向翔一郎(23=ALSOK)が銀メダルを獲得した。決勝でファントエント(オランダ)に優勢負けを喫した。同級の日本勢では05年カイロ大会の泉浩以来となる金メダルを逃した。

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向は「ひらめき」を大事にする。昨年からキックボクシングジムに通い、柔道にも取り入れた。上半身を左右に振りながら、サイドステップを踏み、相手の隙をうかがう。まるで、猛獣が獲物を“一撃”で狙うような威圧感を与えるスタイルだ。今大会は柔道界ではおそらく初となるキックボクサーの加藤虎於奈(こうな、23)を付き人として帯同させた。試合前のアップでも他選手が打ち込みする中、柔道着を着ないでサイドステップを踏みながら会場の雰囲気を確認して終了。予測不能な行動が向の強みだ。