朝比奈が最後の世界選で連覇へ/世界柔道第7日展望

柔道世界選手権日程と結果

<柔道:世界選手権>◇第7日◇31日◇東京・日本武道館◇男子100キロ超級、女子78キロ超級

三度目の正直だ。男子100キロ超級で、16年リオデジャネイロ五輪銀メダルの原沢久喜(27=百五銀行)は初の世界王者を狙う。3年連続の出場で、17年大会は初戦敗退、18年大会は「絶対王者」のリネール(フランス)不在の中、3位にとどまった。今年1月から天理大で出稽古し、「正統派スタイル」の柔道を徹底的に仕込まれてことで一皮むけた。2月のグランドスラム(GS)パリ大会2位、GSデュッセルドルフ大会では3年ぶりの優勝を飾った。その後の大会でも安定した成績を残し、復調の兆しを見せている。前大会覇者でスピードが持ち味のツシシビリ(ジョージア)やリオ五輪100キロ級覇者のクレパルク(チェコ)らもメダル候補。原沢は2人と対戦がなく、その戦いぶりに注目だ。

女子78キロ超級で、世界女王の朝比奈沙羅(22=パーク24)は2連覇を狙う。176センチ、130キロ超の恵まれた体格から繰り出す払い巻き込みや払い腰が武器。20年東京五輪後に現役引退して、医師の道へ進むことを公言しており、最後の世界選手権となる。

最大のライバル、素根輝(あきら、19=環太平洋大)は個人戦初出場。162センチと上背はないが、驚異のスタミナの持ち主で、朝比奈に5連勝中と国内で存在感を示している。両者は順当に進めば、準決勝で激突。東京五輪代表の行方を占う上でも、重要な一戦となる。