高谷惣亮、階級上げ3大会連続五輪へ/第8日展望

試合に勝利しポーズする高谷惣亮

レスリングの世界選手権(カザフスタン)は21日に第8日を迎える。

男子フリースタイル86キロ級に登場するのは五輪2大会出場の高谷惣亮(30=ALSOK)。14年大会銀メダリストは階級を上げて初の大舞台となる。2日間計量となったことでよりナチュラルウエートに近い階級を選択。体重増で落ちるかと思われたスピードを維持し、パワーは増しており、好結果が期待できる。

衝撃だったのは3月にロシアで行われたW杯だった。昨年の世界選手権2位で今大会は優勝候補の1番手であるファティ・アーディン(トルコ)から勝利を挙げた。「自分でもいい驚きだった」という結果が、一層の自信を生んでいる。

気がかりはカザフスタンに到着後に38度5分の熱を発症したこと。日本協会によれば回復したとのことだが、最終調整の痛手になったことは間違いない。どうコンディションを整えてくるかが問われる。抽選では初戦が4月のアジア選手権2位のアリガジ・ガミガジエフ(キルギス)。ロシアから国籍を変えた猛者で、ここを突破して勢いに乗りたい。

フリー97キロ級には初出場となる赤熊猶弥(28=自衛隊)が参戦する。1月の国際大会(米国)では1回戦で敗れ、敗者復活戦でも敗れた。世界でも最も層が厚い階級の1つで、海外勢の強さを目の当たりにした。持ち味の攻めて勝つレスリングを展開できず、課題を残した。5月のアジア選手権では準決勝、3位決定戦で敗れたものの接戦を演じての5位。前に出る動きを出し続けた場面もあり、改善の兆しは見せた。初の大舞台でどこまで持ち味を貫けるか。