球に縦回転ネットプレー進歩で安定感出た大坂/解説

大坂なおみ対アナスタシア・パブリュチェンコワ 優勝会見をする大坂なおみ(撮影・奥田泰也)

<テニス:東レ・パンパシフィックオープン>◇22日◇大阪・ITC靱テニスセンター◇優勝賞金14万1500ドル(約1530万円)◇シングルス決勝

夏から取り組んでいた新たなスタイルが、ついに花開いた。大坂なおみ(21=日清食品)が4大大会に2大会連続で優勝できたのは、持ち味のパワーが基本にあった。この日も、武器のサーブが爆発。エースこそ4本だったが、第1サーブが入った時には、100%の驚異的な確率でポイントを奪った。

しかし、今までは、そのパワーが空回りすると、リスキーなだけにミスを連発した。それを減らすため、球に縦回転をかけ、弾道を山なりにし、ネットの高いところを飛ばすショットを覚えた。無理をせず、そのショットで相手を深く押し込み、チャンスでは持ち味のパワーでたたき込んだ。

安定と破壊力の融合だ。また、苦手だったネットプレーも積極的に取り入れ、半年前より格段に進歩した。対戦相手が、弱点だと思い、短い球で大坂をネットにおびき寄せても、確実にネットプレーで仕留めた。まだ過渡期だが、完全無欠な選手に向け、1歩踏み出した大阪の地だった。