レバンガ北海道折茂引退 49歳レジェンド今季限り

19年、1万点記念ボードを手にする北海道折茂武彦選手兼社長(左)

バスケットボールBリーグ最年長選手で、レバンガ北海道で社長を兼任する折茂武彦(49)が引退を決断した。3日開幕の19-20年シーズンを最後に現役を退くと9月30日、クラブが発表した。昨季は1月に日本出身選手初の通算1万得点を達成。バスケットボール界の一時代を築いたレジェンドは1日に札幌市内で会見する。

日本のバスケットボール界を四半世紀余り引っ張ってきたレジェンドが、今季限りで現役を退くことを決めた。レバンガ北海道の折茂が、チームのリーグ開幕戦が6日後に迫るタイミングで明らかにした。クラブ関係者によると、28日の三遠ネオフェニックスとのプレシーズンゲーム後、チームメートに報告したという。日本リーグ時代から数え、27シーズン目でユニホームを脱ぐ決断を下した。

93年にトヨタ自動車でキャリアを踏み出し、07年にJBLのレラカムイ北海道に移籍。11年に所属先がリーグ除名処分を受けた後は、自ら運営会社社長に就任し、選手兼任で活躍してきた。国内屈指のシューターとして、日本代表でも活躍。98、06年の世界選手権にも出場した。来道後、昨季までの12シーズンで積み上げた得点は「5595」。今年1月には、国内トップリーグで日本出身選手として初めて1万得点を達成した。その半分以上を北海道で積み重ねた。

不惑を過ぎても衰えを知らない鉄人だったが、近年は故障が増え、年齢と闘ってきた。前人未到の偉業を達成した昨季は、リーグ59試合出場で380得点。チームの日本人選手では最多得点だったが、1試合平均6・4得点はケガで13試合出場にとどまった15-16年シーズンを除くと最低値だった。クラブの顔としてスポンサー集めなどの営業活動をこなし、選手としても走り続けた疲労が蓄積していた。

昨季はチームも大不振で、プレーオフの末にギリギリで今季の1部残留を決めた。直後の5月には「僕にとっても屈辱的なシーズン。このままじゃ終われない」と現役続行を決めたが、契約更改後の会見では「頭で描いてるものと体のズレが大きくなる」とも話していた。49歳。自身、最後となる19-20年シーズンを目前に、1日に札幌市内で会見する。引退を決断した思いを、自らの言葉で伝えるために。

◆折茂武彦(おりも・たけひこ)1970年(昭45)5月14日、埼玉県上尾市生まれ。埼玉栄高2、3年の総体に出場し、3年時8強&得点王。日大では主将だった4年のインカレで優勝&MVP。93年トヨタ自動車入りし、日本代表初選出。94年アジア大会銅メダル、98、06年世界選手権出場。07年レラカムイ北海道に移籍し、現在はレバンガ北海道の選手兼社長。190センチ、77キロ。